女性にこそ活用して欲しい、「サウナ×美容×健康」の楽しみ【後編】

2024.07.02

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サウナトータルプロデューサー笹野美紀恵 × オリエンタルバスビューティ取締役CBO笹川友里 対談

前編では、サウナプロデューサー笹野美紀恵さんが率いる革新的なサウナ施設「しきじ」の魅力や、健康と美容を追求する新たなプロジェクトについてお話をお伺いしました。今回は、女性に嬉しいサウナの効能やヘルスケア、そして女性にもっと親しんでもらうためのアイディアについて、オリエンタルバスビューティのブランド責任者を務める笹川友里が探りました。

女性にこそ活用して欲しい、「サウナ×美容×健康」の楽しみ【前編】

笹野 美紀恵

サウナトータルプロデューサー。株式会社ONEBLOW代表取締役。実家はサウナの聖地「しきじ」。地域の特徴を活かし、五感で感じられるサウナをホテル・旅館・診療所などでプロデュース。熱さを超えた養生のためのサウナ体験を提案している。

笹川 友里

2013年にTBSテレビに総合職で入社し制作ADを経験した後、人事異動でアナウンサーに。独立した現在はオリエンタルバスビューティ株式会社Co-Founder&CBO(最高ブランディング責任者)としてSaunaTherapyをディレクションしている。また女性特化型の転職サービスやキャリアイベントなど、女性のキャリア支援事業を展開するNewMe株式会社を共同創業。その他、TOKYOFMにてラジオパーソナリティ、ファッション誌での活動など。

目次

  • 運動で出る汗とは成分が異なる!?サウナによる発汗で、自然な美肌を手に入れよう
  • PMS対策や健康診断促進など女性のヘルスケアにもサウナを役立てたい
  • 「サウナ×カフェ」「サウナ×人生」……「サウナ×α」の発想で、女性にもっと親しんでもらう

運動で出る汗とは成分が異なる!?サウナによる発汗で、自然な美肌を手に入れよう

笹川 女性のサウナ文化も広まりつつありますが、初めてサウナに行くという方もまだまだいらっしゃいます。初心者の方に向けて、改めてサウナの良さとか、アドバイスなどを教えていただけますか。

笹野 サウナに入ることによって、圧倒的に美肌にはなりますよね。

笹川 すごく血色感が出ると言うか、内側から血色を感じるような肌になります。

笹野 それは女性もそうですが、男性がとくに顕著です。私たちはお化粧をしていますが、男性だと肌艶が圧倒的に変わるのがわかります。また、汗についても、「運動をしているから私はいいや」「普段から汗を出しているからいいや」と思われる方も多いかもしれませんが、サウナで出る汗と運動のときに出る汗は、ぱっと見た感じは同じでも、全然違うのです。奥深い話なのですが、エクリン腺という汗腺から出てくる成分がサウナと運動とでは違っていて、サウナによって出る汗は、美肌になる成分がめちゃめちゃ多いのです。

笹川 走るときの汗と、サウナで出る汗とは違うんですか!?

笹野 違います。見た目は一緒ですけど、成分が違うのです。なので私は、効果的にサウナに入るために、エクササイズで少し大きな筋肉を揺らしてから入るようにしています。そうすると、サウナに入ることによって、筋肉がもっと揺れるんです。

笹川 それは、ウエイトトレーニングみたいなことですか?

笹野 スクワットとか、腕を大きく振るとかして、大腿筋や上腕二頭筋などの大きな筋肉を刺激してからサウナに入ったほうがいいのです。汗は、熱を下げるために出るものですよね。でも、少しエクササイズをすることで、表面的に熱を下げるためだけでなく、内発的に汗が出るのです。そうすると、美肌効果がぶわっと上がるのです。

笹川 そうなのですね!それは、エクササイズをしてから入る人が増えそうです。スクワットをやるとしたら、何回くらいがいいのでしょうか?週に何回とか、入る頻度のお勧めはありますか?もちろん人によると思いますが。

笹野 20回くらいで大丈夫ですよ。人によりますが、週2くらいで入っていただくのがいいのではないでしょうか。やっぱり水曜日くらいに、いったん疲れてくるじゃないですか。だから、その水曜日を超えるために、火曜と木曜とかに入っていただくのはいいですよね。でも、私は朝サウナをとてもお勧めしているのです。

笹川 気持ちいいですよね、朝に入ると。

笹野 朝から営業しているところ──それこそ「SaunaTherapy」のような施設なら、そういう時間に入る方へも、対応できるじゃないですか。

笹川 モーニングプランはけっこう人気です!

笹野 ただ、やっぱり少し乾燥はするので、出たあとのオイルケアなどをしていただいて。

笹川 うちのオイルで、ぜひとも(笑)。

PMS対策や健康診断促進など女性のヘルスケアにもサウナを役立てたい

笹野 サウナ自体の効果で言えば美肌効果がありますが、女性にとっては、PMSが整うのではないかということで、いま私がプロデュースした施設でデータを取っています。実際に自律神経なども整うので、プラスは多いですよね。

笹川 むしろ、マイナス面があまりなさそうな感じがします。サウナを習慣にした方──一概には言えないのですが、たとえば気分の起伏が激しい方がサウナを習慣にしたことで気分が安定したとか、そういう方が周りにとても多い気がしています。ときどき入るというのももちろんいいのですが、習慣化するということは大きいのでしょうね。

笹野 PMSなども含めて総合的に考えると、女性は1年のうち半年くらい、ずっとイライラしていますよね。生理のときは、前後でも影響があったりしますし、そういうときにもサウナは役立つと思うのです。社会的には「生理って1週間だけでしょ?」と言われがちですが、「いやいや、いろいろあるから」と思いますし(笑)。

笹川 調子いい日って月の半分もないですよね。。。

笹野 どれだけ巨大なストレスがかかっていることか。女性のパフォーマンスが悪いと、年間で53億円くらい国の経済効果が下がると言われていますから。

笹川 薬草などもPMSにいい影響がありそうですよね。

笹野 いいと思います。だから勧めたいのです。薬草も効果を考えて、たとえば30代のときによかったものでも、40代になったら違うし、50代になったらまた違う。それぞれの年代に合った内容のものを使うことができたら、本当にいいですよね。

笹川 社会で仕事と戦う男性ももちろんそうですが、女性、特にママさんはもう、自分ががんばらないと日常が回らないという方が多いと思います。がんばりすぎてしまう人たちが、「いま、自分はがんばりすぎているな」と思ったときにサウナの予定を入れるようにするなど、定期的に息を抜くことをしたほうが、永続的にがんばれる。そういったお手伝いができるといいですよね。

笹野 最終的にはそういうのをやりたいですね。たとえば、女性向けの保険で息抜きができたり、自治体の健康診断のときは1日オフにできたりという制度があったらいいなと思うのです。「乳がん検査が終わったら、半日どうぞごゆっくり」とか。

笹川 ご褒美ですね。

笹野 私が宮崎の延岡の病院の上にサウナを作ったのは、そういうことで。病院や検査に行くために、テンションを上げるものを作りたくて。流れ作業のように検査をして、「うん、健康ですよ」「ありがとうございます」ではなく、もうちょっとエンタメにしたい。そもそもは、病院の院長先生がサウナにハマって、「サウナをプロデュースして欲しい」と依頼をいただいたのですが、そのとき、「ここは本当に田舎で、何もないんだよね」「この街に住む一般の方の楽しみが、もっとあったらいいよね」とおっしゃっていて。だったら、たとえば診療が終わったあと、ご年配の家族を迎えに来たお孫さんが一緒に入れるサウナがあってもいいかも、と。「検査に行くのにワクワクしたな」「行ってよかったな」というものがあると、行きたくなりますよね。あとは、年に何回か3割負担で利用できる制度などがあったらすごくいいなと思っていて。

笹川 会社の福利厚生でもそうですけど、使わない福利厚生より、そういうもののほうがずっとありがたいです。

笹野 検査が終わったあとに体について学べるというのもいいですよね。それは本当に、どこかのタイミングでやりたいなと、ずっと思っています。そういう企画をご一緒したいですね。

笹川 ぜひぜひ!

「サウナ×カフェ」「サウナ×人生」……「サウナ×α」の発想で、女性にもっと親しんでもらう

笹川 日本でも、女性のための本格的なサウナが少しずつでき始めている印象はあるのですが、いまの「サウナブーム」における出店率で言うと、女性のためのサウナは少ないですよね。その視点からご覧いただいたとき、「SaunaTherapy」を含めて、どのように女性とサウナの今を捉えていますか?

笹野 東京に「SaunaTherapy」のような施設ができてくると、ほかの地域でももっと出てくると思います。でも、「女性に特化したサウナ」というだけではなくて、何かと掛け合わせること──サウナにもう1個掛けてやるのが、いいと思うのです。私は、サウナはただの暑い箱ではなく、何かを掛け合わせることが大事だと思っています。汗をかいたあとのダウンドリンクだったり、深呼吸だったり……。女性にとって「サウナに行く」という行動は、ひとりで楽しみたいときもあると思いますが、友だちとカフェに行くように安らぎたいとか、男性とは違う使い方になってくるだろうと私は思っています。そういう施設や意識がもっと広がれば、「サウナカフェ」みたいな感じで、女子のマーケットがごそっと広がっていくのではないかなと。

笹川 なるほど~!

笹野 たとえば、ヨガとかをやったあとにサウナに入るとか、そういう掛け合わせもいいですよね。

笹川 「SaunaTherapy」でも実験的に、ウィスキングプランやアロマトリートメントをつけたプランなど実施しています。忙しい人たちが短時間でもデトックスできたり、息継ぎができたりする場所になったらいいなと思っているからです。

笹野 それこそ、キャリアについて悩んでいる方に向けてイベントをして、心をデトックスしてもらってから、最後にサウナに入るというような取り組みも、すごくいいと思うんですよね。

笹川 面白い掛け合わせですね!海外では、瞑想したりカウンセリングを受けたりという自分と向き合うプログラムがもっと日常に普及していますが、日本にもその波が来ていますよね。「自分の人生×サウナ」の掛け合わせ、興味ありです。

笹野 はい。もしかしたら意識していなかったかもしれませんが、客観的に見て「Therapy」という言葉が名前に入っていることからも、そういったことを掛け合わせたらいいのになと思います。「SaunaTherapy」とは、そういう意味なのかなって。

笹川 「SaunaTherapy」はもともと、「サウナで癒される」という意味があります。サウナをツールにして、心も体も──健康もそうですし、精神的にも自分の力で癒されて欲しいという願いが込められています。

笹野 私がプロデューサーだったら、女性のキャリア支援NewMeを経営されている笹川さんに出てもらって、「SaunaTherapy×笹川さんのイベント」を月1でやります。「女性の健康はもちろん、心の部分も含めてご自分のキャリアのいろいろな面を一緒に考えませんか?」という場所にして、物販なんかもやりますね。今回、客観的に「自分だったらこうやるな」と思いながら拝見していました。

笹川 アドバイザーとしてぜひ、教えをいただきたいです。(笑)笹野さんからお話を伺って、私たちが持っている点と点がつながったような気がしています。ぜひ、第2回の対談もお願いしたいです。

笹野 第2回!ぜひ!そのときは、また私からも、客観的な見え方をお伝えしますね。

笹川 ありがとうございます。ぜひお願いします。

この記事の執筆者

【奥本 恵巳】
オリエンタルバスビューティ株式会社共同代表。会社勤め20年以上、仕事と育児に翻弄されながら、ふと自分時間がないことに気付く。マルチタスクの女性に癒しの時間と空間を提供したいと考え女性専用サウナを立ち上げる。サウナの良さを知り、サウナで女性を元気にしたいと願っている。


※ 本稿は2024年6月21日に『WELL-SAUNA』にて公開された『女性にこそ活用して欲しい、「サウナ×美容×健康」の楽しみ【後編】』を再編したものです。

出典:WELL-SAUNA 公式サイト

女性とサウナの心地良い関係を発信し自分の”内なる輝き”を見つけるサウナ&ウェルネスメディアです。

この記事を書いた人

山田 花子

Cinderella Fit 編集部

美容メディア シンデレラフィット

「美容従事者すべてにリスペクトを」頑張る女性にスポットを当て、人と人を繋いで行きます。

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