大阪・関西万博での「GF RAMEN LAB」でのご経験や、アレルギーを持つご家族の姿から得た気づきが、今回の「夏のグルテンフリーブッフェ」の開催や継続にどのようにつながっているのでしょうか。

本吉さま:影響は非常に大きいです。万博でラーメンを出展した際、小麦アレルギーをお持ちのお客様から「家族全員ではじめていっしょに食事ができた」と、本当に嬉しいお声をたくさんいただきました。
アレルギー対応の食事はもちろん大切ですが、それ以上に「家族みんなで同じ料理を同じ食卓で囲める機会があること」、そしてその「時間」そのものに計り知れない価値があるんだと強く実感したんです。万博が閉幕した後も、その温かい時間を途切れさせずにお届けしたいという想いが、このイベントの継続につながっています。
クリスマスや春の開催を経て、参加されたお客様からは「子供が喜んで食べる姿がうれしくて、再び参加しました」といったお声もいただき、私たちにとってもかけがえのない取り組みになっています。
「健民ダイニング」の30周年リニューアルを機に、米粉や米醤油などを取り入れたグルテンフリー×中国料理に取り組まれていますが、従来の固定概念を取り払う中で見出した新たな調理法やメニューのこだわりを教えてください。
本吉さま:中国料理は伝統的に小麦を使う調味料が多く、グルテンフリーへの挑戦には葛藤もありました。しかし、思い切って小麦を一切使わず、米粉を様々な料理に活用するアプローチに踏み切ったことで、新しい発見がたくさんありました。
例えば、米粉を使うことで揚げ物の「油のキレ」や「食感」が非常に良くなり、素材本来の味が引き立つんです。身体にやさしいだけでなく、これまでにない新しい中国料理の可能性を見出すことができました。今回のブッフェでも、神戸ポークの酢豚からデザートの米粉クレープまで、大人も子どもも心から楽しめるメニューをお届けできたと感じています。
今回のイベントで配布された「プロジェクトA」の8大アレルゲン不使用商品をはじめ、誰もが同じ食卓を囲める楽しさを提供する取り組みを通じて、企業として今後どのような食の選択肢や未来のビジョンを描いていかれますか。

本吉さま:アレルギーの有無や食生活の違いに関わらず、すべての人の「食べる楽しみ」の可能性を広げていきたいと考えています。食育活動なども通じて、誰しもが周りを気にせず安心して食事ができる社会を目指したいですね。
私たちケンミン食品は、「健康(健)を皆さま(民)に」という理念を掲げています。これからも「ビーフン」「本格中国料理」「小麦不使用」を軸に、温かい食卓の思い出づくりをお手伝いしながら、未来に向けた新しい食の選択肢を発信し続けてまいります。
取材を終えて
「同じものを、一緒に美味しいねと笑い合える時間」。日々の食卓では当たり前のように見過ごしがちなその瞬間が、食物アレルギーを持つ子どもや家族にとっては、どれほど特別で待ち望まれたものであるか。本吉さまの言葉からは、お客様の感動に真摯に向き合い、企業理念を体現し続ける強い情熱が伝わってきました。
グルテンフリーという選択肢を「特別なもの」から「誰もが楽しめる豊かな食文化」へと昇華させていくケンミン食品の挑戦は、これからの外食産業や私たちの食卓に、あたたかな光を投げかけています。

