10月10日は世界メンタルヘルスデー。メンタルヘルスへの認識を高めるための大切な日です。
現代のストレス社会にあっては、イライラや気分の落ち込み、強い不安感などのメンタルの不調に悩む女性も少なくありません。
そんなときに心強い味方になるのが漢方薬です。
そこで今回は、「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんにメンタル不調に役立つ漢方薬について教えてもらいました。
いつもの私を取り戻すヒント、漢方薬とは?
自然由来の漢方薬は、イライラや気分の落ち込み、不安感が続くといったメンタル不調に対して、心とからだ全体のバランスを整えることで改善へとアプローチします。
また、西洋薬のように症状だけを抑える対症療法ではなく、根本から体質を整えることを目指すため、不調を治すだけでなく、不調になりにくいからだづくりも期待できるのです。
検査では異常が見つからず原因がはっきりしないメンタル不調や、冷えなどさまざまな不調を訴える女性にも、とくに有効とされています。
その心の不調、もしかしたら「気の滞りや不足」が原因かも?
メンタル不調を感じる場合、漢方的には気が滞っていたり、不足したりしていることが原因と考えられます。
「気」ってなに?
漢方では、からだは気・血・水(き・けつ・すい)で構成されていると考えます。
・気:目に見えない生命活動エネルギー
・血:血液(栄養物質)
・水:血液以外の液体
この3つのバランスが多すぎたり少なすぎたりせず、からだ全体をスムーズに巡っている状態が健康とされています。
とくに、気は心やからだを動かす原動力で、免疫力や代謝、精神活動のコントロールなどに関わり、生きていくうえで欠かせない存在です。
また、血や水の巡りをサポートする働きもあります。
「気」の乱れが引き起こす心身の不調
気はストレスの影響を受けやすいのが特徴です。
怒りや緊張、不安といった精神的なストレスが続くと、気の巡りが滞りやすくなります。
その結果、イライラしたり気持ちが落ち着かなくなったりして情緒不安定になりがちです。
一方で、過労や睡眠不足などで気が不足すると、心身を支える力が弱まるため、無気力や不安感といった不調が起きやすくなります。
このように気の滞りや不足といった乱れはメンタル不調に深く関わっているのです。
心のモヤモヤに寄り添うおすすめ漢方薬
女性の場合、毎月ホルモン量が変化する影響で心身のバランスが乱れ、気の滞りや不足も生じやすいため、イライラや不安感、気分の落ち込みなどのメンタル不調が多くなりがちです。
そこで、代表的なメンタル不調のタイプ別におすすめの漢方薬をご紹介します。
イライラ・怒りタイプに「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」
気の滞りでイライラや怒りっぽさが続く方には、抑肝散加陳皮半夏がよく使われます。
【抑肝散加陳皮半夏がおすすめの方】
・イライラが強い
・神経過敏
・歯ぎしり
・胃腸が丈夫ではない
抑肝散加陳皮半夏は、精神の高ぶりや緊張を鎮めて気の巡りをよくすることで、情緒を安定させる効果が期待できる漢方薬です。
不安感・心配性タイプに「加味帰脾湯(かみきひとう)」
過労や睡眠不足などで気が不足し、強い不安感が続く方には、加味帰脾湯がおすすめです。
【加味帰脾湯がおすすめの方】
・不安感が強い
・心配性
・疲れやすい
・貧血傾向
加味帰脾湯は、胃腸の働きをよくして気や血を補い、脳や心に栄養を届けて精神を安定させる効果が期待できる漢方薬です。
抑うつ・気分がふさぐタイプに「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」
胸やのどにつかえ感や重苦しさを感じ、気分がふさぎやすい方には、半夏厚朴湯がよく使われます。
【半夏厚朴湯がおすすめの方】
・ストレスを感じやすい
・気分がふさぎがち
・不安や心配事で眠れない
・のどの違和感・つかえ感がある
半夏厚朴湯は、気の滞りを除いて精神の緊張を緩めることで、不安感やのどのつかえ感を改善する漢方薬です。
漢方薬を生活に取り入れるうえでの注意点
漢方薬は自分の状態や体質に合ってこそ効果があります。
うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に合っているかを見極めるためには、専門家の力を借りるのが安心です。
漢方に詳しい薬剤師がAIを活用し、お手頃価格で、個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「あんしん漢方(オンライン個別相談)」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
対面では話しにくい悩みもスマホで気軽に相談することができます。
気分の落ち込みを漢方薬でサポート
女性のメンタル不調には、気の乱れを整える漢方薬が役立ちます。
イライラや不安感、気分の落ち込みなど自分ではコントロールしにくい心のモヤモヤも自分に合った漢方薬を選ぶことで改善が期待できます。
つらいときこそ、漢方薬というやさしい選択肢で、毎日を元気な笑顔で過ごしていきましょう。
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
清水みゆき
漢方薬・生薬認定薬剤師、JAMHA認定ハーバルセラピスト。製薬企業の研究所員を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。
現在も漢方調剤薬局で薬剤師として在勤しながら「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211231g6sdf10071&utm_source=shindere&utm_medium=referral&utm_campaign=251007