【立冬から始める冷え対策】タイプ別にみる冬の冷えに効く漢方薬ガイド

2025.11.07

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11月7日は立冬。
暦の上では冬が始まる日です。
この時期になると、朝晩の冷え込みが強まり、からだや手足に冷えを感じやすくなります。

実は、冷えにはいくつかのタイプがあり、原因や冷えを感じる場所は人それぞれ。

つまり、自分の冷えタイプを知ることでより効果的な対策ができるようになります。

寒さの本番を迎える前に早めのケアを始めて、冬を健やかに過ごす準備をしませんか?

今回は、「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんにタイプ別の冷えの特徴やそれぞれに合った漢方薬について詳しく教えてもらいました。

 

冷えはタイプによって原因が違う

 

ひとことで冷えといっても、原因はさまざまです。

気温の低下といった外的要因だけでなく、血流やホルモンバランスの乱れ、筋肉量の低下などからだの内側にも原因があります。

漢方的には、冷えを「気血水(きけつすい)」のバランスの乱れととらえ、どの要素に偏りがあるかによってタイプが異なると考えます。

まずは、自分の冷えのタイプを知ることが改善への第一歩です。

末端型冷え(血虚・瘀血タイプ)

からだの末端である手足の冷えが強く、手袋や靴下が欠かせないタイプです。

漢方的には、血(栄養物質)が不足した血虚(けっきょ)や血の流れが滞る瘀血(おけつ)タイプで、必要な栄養や熱が末端まで届きにくい状態と考えます。

顔色が悪い、唇の色が紫っぽい、クマがある、生理痛がひどいというような特徴があります。

過度なダイエットや疲労、睡眠不足などで冷えが悪化しやすいので注意しましょう。

下半身型冷え(水滞・瘀血タイプ)

腰から脚にかけての下半身の冷えが強いタイプです。

体内の水分バランスが乱れて余分な水分が下半身に滞った水滞(すいたい)や、骨盤内の血流が悪い瘀血が関係していると考えられます。

脚がむくみやすい、冷えのぼせがあるといった特徴があります。

長時間のデスクワークや運動不足がこのタイプの冷えを悪化させる要因です。

全身型冷え(気虚・陽虚タイプ)

手足や下半身だけでなく、からだ全体が冷えきっているタイプです。寒い冬だけでなく、一年中冷えを感じる人も少なくありません。

漢方的には、からだを温めるエネルギーである気が不足して熱を生み出す力が低下した状態で、気虚(ききょ)といいます。

さらに、からだを温める力が弱い場合、陽虚(ようきょ)とも呼ばれます。

からだを温めようとして、たくさん汗をかくような運動をしたり、長い時間入浴したりすると、体力を消耗して体調を崩すことがあるため注意が必要です。

風邪をひきやすく、元気がない、疲れやすい、胃腸が弱いといった特徴があります。

【タイプ別】冷えにおすすめの漢方薬

 

漢方薬は冷えの原因の根本からアプローチすることで、冷えにくいからだへと導きます。

また、「冷えは万病のもと」といわれるように、冷えをそのままにしておくと、肩こりや頭痛、生理痛などさまざまな不調につながることがあります。

漢方薬は心とからだ全体のバランスを整えるので、冷えだけでなくさまざまな不調の同時改善が期待できるのです。

それでは、冷えのタイプ別におすすめの漢方薬をご紹介します。

末端型冷えには当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

手足の先が冷えやすく、寒さで頭痛や腰痛が悪化する方におすすめです。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、からだを温め、血を補いながら血行をよくして手足の末端まで熱を届け、手足の冷えを改善する漢方薬です。

【当帰四逆加呉茱萸生姜湯がおすすめの方】
・手足の冷えが強い
・しもやけになりやすい
・生理痛がひどい

血流を改善することで、手足の冷えだけでなく、しもやけや頭痛、月経痛などにも効果があります。

下半身型冷えには当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

とくに足腰や下半身が冷えてむくみやすい方に使われる代表的な漢方薬です。

当帰芍薬散は、血流や水分代謝を整えて、足腰の冷えを改善します。

【当帰芍薬散がおすすめの方】

・足腰の冷えが強い
・やせ型体型
・むくみやすい

冷えだけでなく、むくみやめまい、頭重感、耳鳴りなどの症状にも効果があります。

全身型冷えには人参養栄湯(にんじんようえいとう)

からだ全体が冷え、疲れやすく、体力が落ちている方におすすめです。

人参養栄湯は、胃腸の働きをよくして気や血を補い、熱を生み出す力を回復する働きがあります。

【人参養栄湯がおすすめの方】

・疲れやすい
・顔色がよくない
・不眠がち

冷えの改善だけでなく、慢性的な疲労や食欲不振、貧血などの虚弱体質にもよく使われる漢方薬です。

自分にぴったりの漢方を選ぶには?

 

漢方薬剤師 
清水みゆき

漢方薬・生薬認定薬剤師、JAMHA認定ハーバルセラピスト。製薬企業の研究所員を経て漢方薬を選ぶ際の重要なポイントは、その人の状態や体質に合っているか、という点です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。

どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるためには、専門家の力を借りるのがおすすめです。

漢方に詳しい薬剤師がAIを活用し、お手頃価格で、個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「あんしん漢方(オンライン個別相談)」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。

スマホで完結するので、対面では話しにくい悩みも気軽に相談できます。

 

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211231g6sdf10077&utm_source=shindere&utm_medium=referral&utm_campaign=251104

自分にあった冷え対策をしよう

冷えには「末端型」「下半身型」「全身型」などのタイプがあり、それぞれ原因や対策が違います。

自分の冷えのタイプを知り、それに合った漢方薬を取り入れることで、寒い冬も快適に過ごすことができるでしょう。

立冬を迎えた今こそ、自分に合った冷え対策を取り入れてみませんか?

 

<この記事の監修者>

 

 

 

 

 

 

 

あんしん、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。

現在も漢方調剤薬局で薬剤師として在勤しながら「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。

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