「Dr.Aboが教える!“死ぬまで元気で美しく”を叶えるコラム」
本連載では、北青山D.CLINICの阿保義久院長をお迎えし、“死ぬまで元気で美しく”過ごすためのヒントをお届けいたします。
vol.4のテーマは「梅雨どきの脚のむくみやだるさ」。梅雨の季節、「朝から脚が重い」「夕方には足がむくんで靴がきつい」――そんな悩みを感じる人が増えます。この脚の不調、実は気圧や湿度の変化による「静脈うっ滞」が関係しているかもしれません。
このコラムでは、血管外科である北青山D.CLINICの阿保義久院長が、脚のむくみとその予防策を医師の視点からわかりやすく解説します。
なぜ梅雨の時期に脚がむくみやすくなるのか?
梅雨時は気圧が下がり、雨の影響でジメジメと高湿度、さらには外出することさえ億劫になり運動不足気味に――これらの要素が組み合わさると、末梢静脈の血流が滞り、血液やリンパの戻りが悪化します。その結果、脚に余分な水分が溜まりやすくなり、むくみ・だるさ・冷え・こむら返りといった「うっ滞症状」が引き起こされます。
むくみが慢性化する前に知っておきたい「下肢静脈瘤」について
血液の戻りが悪くなった状態が続くと、静脈の弁が壊れ、「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」という疾患に進行することも。これは脚の表面にある静脈がふくらんでコブ状になり、血液がうまく流れなくなる病気で、見た目だけでなくだるさ・むくみ・夜間のこむら返りなど日常生活への支障も増えていきます。
無理なく続ける!めぐりを整える脚ケア3選!
むくみやだるさを改善するために、大げさな運動や厳密なルールを設けてしまうと、忙しい毎日ではなかなか継続が難しくなってしまいますよね。そうではなく、頑張らなくても続けられる、ちょっとしたケアを積み重ねることが重要です。この章では、阿保院長おすすめの脚ケア3選をご紹介します。
1.歯みがきのついでに…がカギ!ながら体操で自然に巡らせる!
ウォーキングやストレッチも理想的ですが、まずは「やれるときに、やれる形で」。おすすめは「歯磨き中のかかとの上げ下げ」「テレビCM中の足首まわし」などの、ながら体操。ふくらはぎの筋肉ポンプを活性化するこの動作は、下肢から心臓への血液の流れを促進します。特別な時間を作らず、日常に組み込むことが続けるポイントです。
2.履くだけケアで、めぐりを整える
脚の血流をサポートする方法として、弾性ストッキングや着圧サポーターといった、履くだけケアも効果的です。特に足首からふくらはぎにかけて段階的に圧をかける設計は、血液の戻り(静脈還流)を助け、むくみやだるさ、静脈トラブルの予防にもつながります。また、「履くだけでケアしたいけれど、ジメジメする時期や夏には暑くてちょっと…」という方には、冷感タイプの着圧アイテムもおすすめです。
3.静脈還流を妨げない!ファッションと姿勢の見直し
ヒールの高い靴やガードル・補正下着など、脚を美しく見せるアイテムも時に巡りの敵に。おしゃれをすることで、梅雨時の憂鬱な気持ちも晴れますが、一方で脚の巡りを妨げない服・靴選びも重要です。
次回は、紫外線の量も強さもピークを迎えると言われる7月にぴったりなテーマをお届けします。どうぞお楽しみに!
北青山D.CLINIC阿保義久院長プロフィール
1965年青森県生まれ。東京大学医学部医学科卒業。2000年に北青山Dクリニック(現:北青山D.CLINIC)を設立し、外科医としてのスキルを生かして日帰り手術を発案したほか、病気を作らない予防医療、治癒が可能な段階で早期発見するための人間ドック、生活の質を高めるアンチエイジング療法、進行がんに対する革新的治療まで、質の高い医療サービスの提供にも精力的に取り組む。「医療にイノベーションを」を理念に掲げ、理想的な医療環境の構築にも励んでいる。著書には『アンチ・エイジング革命(講談社)』、『下肢静脈瘤が消えていく食事(マキノ出版)』、『尊厳あるがん治療(医学舎)』、『コロナの時代のアンチエイジング』などがある。
クリニックURL:https://www.dsurgery.com/
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