「Dr.Aboが教える!“死ぬまで元気で美しく”を叶えるコラム」
本連載では、北青山D.CLINICの阿保義久院長をお迎えし、“死ぬまで元気で美しく”過ごすためのヒントをお届けいたします。
vol.3のテーマは「初夏の脱水&ミネラルケア」。「まだ真夏じゃないから大丈夫」と侮りがちな初夏の脱水は、意外と見落とされがち。汗だけでなく呼吸や皮膚からの不感蒸泄でもじわじわ水分とミネラルが失われ、放置すると血圧低下や疲れ、むくみの原因に。医師監修の簡単レシピ&セルフケアで、初夏の“盲点”をカバーする方法をご紹介します。ぜひご一読ください!
知らずに進む、初夏の“隠れ脱水”が招く体調不良?
5月中旬から6月にかけて、気温と湿度が同時に上昇すると、汗だけでなく呼吸や皮膚からじわじわと水分が失われます。この際、水分と一緒にナトリウム・カリウム・マグネシウムなどのミネラルも排出され、知らず知らずのうちに脱水と電解質不足が進行。同時に、血液中の液体部分である血漿量が減ることで血圧が低下し、立ちくらみや頭痛を引き起こすだけでなく、慢性的な疲労感や臓器障害のリスクも高まります。加えて、末梢血管が拡張して血液が滞ると、脚のむくみやだるさもおこりやすくなるのです。
10分で簡単に!おいしく整える、初夏のミネラルケアレシピ3選
汗ばむ初夏は、ただ水を飲むだけでは追いつかないことも。体内からの水分だけでなく、カリウムやマグネシウムといったミネラルも一緒に補うことが大切です。そこで今回は、水分と電解質を同時に補える、手軽で美味しい3つのレシピをご紹介します。
1.きゅうりと塩昆布の浅漬け
初夏の汗で失われやすいカリウムを豊富に含むきゅうりと、天然のナトリウムを含む塩昆布を組み合わせた一品。カリウムは細胞内に水分を引き込み、むくみを和らげる効果が期待できます。一方、ナトリウムで体内の水分バランスをサポート。汗をかくたびに崩れがちな電解質バランスを手軽に補えます。
■材料(2人分)
きゅうり…1本
塩昆布…5g
ごま油…小さじ1
■作り方
・きゅうりを斜め薄切りにする。
・ボウルにきゅうり、塩昆布、ごま油を入れて和え、5分置くだけ。
2.冷やしみょうが味噌汁
だし汁に溶け込む味噌の発酵成分が腸内環境を穏やかに整えるだけでなく、絹ごし豆腐の大豆たんぱくが血管のしなやかさを保つサポートに。さらに、みょうがに含まれる爽やかな香り成分が末梢血管をゆるめてくれるため、体表面からの熱放散を助けます。
■材料(2人分)
だし汁…300ml
絹ごし豆腐…1/2丁
みょうが…1個
味噌…大さじ1.5
■作り方
・だし汁300mlを温め、絹ごし豆腐1/2丁を加えて軽く煮る。
・火を止めて味噌大さじ1.5を溶かし、粗熱が取れたら輪切りにしたみょうが1個を散らし、冷蔵庫で冷やします。
3.鯖の水煮缶と新玉ねぎの青じそ和え
青魚に豊富なEPA・DHAは、体内の炎症反応を抑える働きがあります。そこに、青じそのポリフェノールが抗酸化サポートをプラス。新玉ねぎのシャキシャキ感と相まって、食べながら体を内側から整えてくれる一品です。
材料(2人分)
鯖水煮缶…1缶
新玉ねぎ…1/2個
青じそ…4枚
ぽん酢…大さじ1
作り方
・新玉ねぎを薄切りにし、水にさらして水気を切る。
・鯖缶をほぐし、玉ねぎ・刻んだ青じそ・ぽん酢で和える。
どれも作り置きができるので、朝のうちに仕込んでおけば夜までしっかりミネラル補給。美味しさを楽しみながら、賢くケアしていきましょう。次章では、さらに日常に取り入れたいセルフケアのコツをご紹介します。
食事ケアにプラス!日常5分でできる循環&クールダウン習慣
前章でご紹介したミネラル豊富なレシピで体内を整えたら、次はその栄養をしっかり巡らせる日々のセルフケアです。脚のだるさやむくみ、隠れ脱水を防ぎ、自律神経を整える3つのメソッドが、いずれも5分以内で実践可能。忙しい合間にも取り入れやすいので、ぜひデイリー習慣に加えてみましょう。
1.その場足踏み+腹式呼吸で静脈うっ滞を解消
立ち仕事やデスクワークが続くと、脚の静脈に血液が滞り、こむら返りやむくみ、だるさの原因となります。そこで、足踏みをしながら腹式呼吸を3分ほど行いましょう。息を大きく吸うたびに胸腔内圧が下がり、呼吸ポンプが血液を心臓へ引き戻します。同時に、ふくらはぎの筋ポンプ(その場足踏み)が働くことで、脚の血流を効率的に促進できます。
2.首筋&脇下クールダウンで熱放散を促進
タオル1枚を首筋または脇の下に挟み、保冷剤を1~2分当ててください。太い血管付近がやさしく冷やされると、体温調節中枢が「涼しい」と感知し、末梢血管の開閉を調整しながら余分な熱を逃がします。発汗過多による脱水の悪化を防ぎ、初夏の気温上昇に負けない体温管理が可能です。
3.3分間の“目閉じリセット”で心身を整える
椅子に深く腰かけ、目を閉じてゆっくり鼻から吸い、口から吐く深呼吸を3分間続けます。視覚刺激が減ることで副交感神経が優位になり、心拍・血圧が落ち着きます。短時間でも自律神経が整うことで、午後の疲労感や集中力低下をリフレッシュできます。
次回は「梅雨どきの脚のむくみ・だるさケア」をテーマに、気圧低下や高温・多湿による静脈のうっ滞メカニズムと美脚セルフケアをお届けします。どうぞお楽しみに!
北青山D.CLINIC阿保義久院長プロフィール
1965年青森県生まれ。東京大学医学部医学科卒業。2000年に北青山Dクリニック(現:北青山D.CLINIC)を設立し、外科医としてのスキルを生かして日帰り手術を発案したほか、病気を作らない予防医療、治癒が可能な段階で早期発見するための人間ドック、生活の質を高めるアンチエイジング療法、進行がんに対する革新的治療まで、質の高い医療サービスの提供にも精力的に取り組む。「医療にイノベーションを」を理念に掲げ、理想的な医療環境の構築にも励んでいる。著書には『アンチ・エイジング革命(講談社)』、『下肢静脈瘤が消えていく食事(マキノ出版)』、『尊厳あるがん治療(医学舎)』、『コロナの時代のアンチエイジング』などがある。
クリニックURL:https://www.dsurgery.com/
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