春の“なんとなく不調”に効く! 医師がすすめる自律神経ケアと簡単レシピ

2025.03.29

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「Dr.Aboが教える!“死ぬまで元気で美しく”を叶えるコラム」
本連載では、北青山D.CLINICの阿保義久院長をお迎えし、“死ぬまで元気で美しく”過ごすためのヒントをお届けいたします。
vol.2の今回のテーマは「春バテ」。なんとなく不調を感じやすい季節に、旬の食材や生活の工夫でできる自律神経ケアをご紹介します。ぜひご一読ください。

「春バテ」対策に知っておきたい、“自律神経ケア”と栄養の話。〜疲れが抜けない女性たちへ〜

春になり、暖かい日が増えてきました。しかし、「だるい」「眠い」「イライラする」「やる気が出ない」など、何となく不調を感じている方も多いのではないでしょうか。

このような症状は、医学的には「不定愁訴(ふていしゅうそ)」で説明できることが多いです。検査では異常が見つからないのに、体調がすぐれない状態のことです。特に春先は寒暖差が激しく、新生活のストレスも加わるため、自律神経のバランスが崩れやすく、不定愁訴を訴える方が増えます。

 

特に女性はホルモンバランスの影響も受けやすいため、春の体調のゆらぎを感じる方が多いようです。そこで今回は、医師が推奨する春バテ予防のための「自律神経ケア」をご紹介します。
 

春のゆらぎ対策に。 「栄養」で自律神経を整える簡単レシピ

「なんとなく不調」を感じやすい春。自律神経のバランスを整えるには、生活習慣の見直しと同時に、神経系の働きをサポートする栄養素の摂取も大切です。

今回は、自律神経を整える栄養素に注目し、4月に旬を迎える食材を使った、簡単な春レシピを3つご紹介します。

1.ビタミンB群 …旬の春キャベツ×豚肉

ビタミンB1は、糖質の代謝を助け、エネルギーを効率よく生み出す働きがあります。とくに疲労回復や神経の安定に関与しているため、「なんとなくだるい」春の不調にぴったり。豚肉はビタミンB1の代表的な食材で、旬の春キャベツと合わせれば、胃腸にもやさしく季節感も満点です。

●レシピ例

「春キャベツと豚しゃぶの梅ポンおろし和え」

●ポイント

豚しゃぶと千切りにした春キャベツを、大根おろしと梅ポン酢で和えるだけ。さっぱりした味付けで食欲がない日にもおすすめ。

2.マグネシウム …旬の菜の花×あさり

マグネシウムは、神経伝達やホルモンバランスの安定に関わるミネラル。ストレスを受けると消耗しやすいため、積極的な摂取が求められます。あさりはマグネシウムをはじめとするミネラルが豊富で、特に女性の体にやさしい食材。そして、春に旬を迎える菜の花は、ビタミンCや鉄分も含み、春の揺らぎ対策に効果的です。

●レシピ例

「あさりと菜の花の和風酒蒸し」

●ポイント

昆布だしと日本酒で蒸すだけのシンプル調理。あさりのうま味と菜の花の苦味が春らしさを引き立てます。

3.トリプトファン・GABA …旬の新じゃが×豆腐

トリプトファンは、心を安定させるセロトニンの材料となる必須アミノ酸。GABA(γ-アミノ酪酸)は、脳の過活動を抑えてリラックスを促す成分として知られています。春の新じゃがはGABAを含み、優しい甘みが特徴。合わせる豆腐(絹ごし)にはトリプトファンが多く、腸にもやさしい組み合わせです。

●レシピ例

「新じゃがと豆腐のとろ〜りあんかけ煮」

●ポイント

和風だしで煮込んで水溶き片栗粉でとろみをつければ、夜のリラックスタイムにぴったりの一皿です。

いずれも10〜15分でできる簡単レシピで、忙しい方にもおすすめです。季節の食材には、その時期に必要な栄養が自然と備わっています。毎日の食事をほんの少し意識するだけで、自律神経を整えるセルフケアになります。

“春のゆらぎ”を整えて、軽やかに生きる

春は新しい出会いや環境の変化が多く、心と体のバランスがゆらぎやすい季節。だからこそ、「なんとなく疲れたかも」と感じたときには、がんばりすぎず立ち止まることも大切です。

今回ご紹介したような、旬の食材で自律神経をいたわる食事は、体調や美容を整えるだけでなく、“自分をやさしくケアする時間”にもなります。「食べること」は、毎日の暮らしの中で無理なく続けられる、もっとも身近なセルフケア。春の不調も、栄養と季節のパワーで、ゆっくりと整えていきましょう。

次回のコラムでは、また別の季節に合わせた不調対策や、“死ぬまで元気に美しく”生きるための阿保先生からのヒントをお届けします。どうぞお楽しみに!

北青山D.CLINIC阿保義久院長プロフィール

 

1965年青森県生まれ。東京大学医学部医学科卒業。2000年に北青山Dクリニック(現:北青山D.CLINIC)を設立し、外科医としてのスキルを生かして日帰り手術を発案したほか、病気を作らない予防医療、治癒が可能な段階で早期発見するための人間ドック、生活の質を高めるアンチエイジング療法、進行がんに対する革新的治療まで、質の高い医療サービスの提供にも精力的に取り組む。「医療にイノベーションを」を理念に掲げ、理想的な医療環境の構築にも励んでいる。著書には『アンチ・エイジング革命(講談社)』、『下肢静脈瘤が消えていく食事(マキノ出版)』、『尊厳あるがん治療(医学舎)』、『コロナの時代のアンチエイジング』などがある。 

クリニックURL:https://www.dsurgery.com/

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