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「最近、おりものの色が変わった気がする……」「量が増えて下着が汚れやすくなった」と感じていませんか?
おりものは体調やホルモンバランスによって日々変化するものです。けれど、いつもと違う色や量、においが続くと、「何かの病気なのでは? 」と不安になりますよね。
そこで今回は、「あんしん漢方」の薬剤師、中田 早苗さんにおりものについて教えてもらいました。
おりものの役割
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おりものの重要な役割のひとつが、膣の自浄作用。おりものは雑菌の侵入や繁殖を防ぎ、膣内の健康を守る働きをしています。
さらに、排卵期にはおりものの粘度が高くなることで精子が子宮に到達しやすくなり、妊娠をサポートしてくれます。
おりものの量や状態は体調やホルモンバランスによって変化するもの。排卵期、生理前後、妊娠中、閉経後など、それぞれ異なる状態を示すため、からだの状態を知る指標としても活用できるのです。
正常なおりものの特徴
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おりものの話はとてもデリケート。
身近な人とも、なかなか話題にしづらいですし、何が正常な状態かわからない、という人も多いのではないでしょうか?
ここからはおりものの状態が正常なのかどうか判断するうえで、重要なポイントとなる色、量、においについて解説していきます。
色:透明~乳白色
正常なおりものは、透明から乳白色、または薄いクリーム色をしています。
排卵前のおりものは、卵白のように透明でトロっと伸びるようになり、精子が子宮内に入りやすい環境をつくってくれます。
排卵後は量が減り、白っぽいおりものへと変化し、この状態が2~3日程度続くとされています。
量:おりものシートで足りる程度
妊娠可能な年齢の女性では、生理周期によっておりものの量が増減し、たとえば、排卵期や妊娠時には増えやすくなるとされています。
一般的に、おりものシートで対応できる程度であれば正常の範囲内といわれています。一方で、おりものシートでカバーしきれず、下着や洋服にまで染みてしまうほど量が多い場合は注意が必要です。
におい:無臭~少し酸っぱいにおい
正常なおりものは、無臭か、わずかに酸っぱいにおいがする程度です。
においがいつもより強い場合、膣内で雑菌が増殖している可能性があります。
風邪や疲労、ストレスなどで免疫力が低下すると、膣内の雑菌が増え、一時的におりもののにおいが強くなることも。
においが長く続いたり、生臭いにおいがしたりするときは、感染症などの可能性もあるので、早めに医療機関を受診しましょう。
病気の可能性も?おりものの異常サイン
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おりものの異常は、からだからの重要なサインです。
これからご紹介するような変化がみられる場合は、病気の可能性もあるので、医療機関の受診を検討しましょう。
灰白色でサラサラしている
灰白色でサラサラとしたおりものが大量に出る場合、細菌性膣症の可能性が高いと考えられます。
細菌性膣症は、最も一般的な膣感染症のひとつ。膣内を守る乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)が減少し、有害な細菌が増殖することで発症します。
おりものの色や粘性が変化するだけでなく、生臭いにおいを伴うことも特徴です。
発症原因ははっきりしていませんが、性行為や免疫力の低下、ストレスなどが影響しているとされています。
白くてポロポロしている
白くてポロポロしたカッテージチーズ状のおりものが出る場合、膣カンジダ症の可能性を疑いましょう。
その他にも、外陰部のかゆみや発疹、膣のヒリヒリした痛みや排尿痛を伴うこともあります。
膣カンジダ症は膣内に常在しているカンジダ菌が増殖しすぎることが原因で発症します。
疲労やストレス、ホルモンバランスの乱れが起きると再発しやすいので、違和感があったら早めに対処することが大切です。
黄色くて泡っぽい
黄色くて泡っぽいおりものが見られる場合、トリコモナス症の疑いがあります。
トリコモナス症は、性行為を通じて感染することが多い性感染症のひとつ。
膣トリコモナスという原虫が膣に侵入することで発症し、すぐに症状が出ることもあれば、数週間から数か月潜伏することもあります。
感染が膀胱に広がることもあり、排尿時の痛みを感じる場合があります。
感染予防には、コンドームの使用が効果的なので、適時適切に使用しましょう。
血が混じっている(ピンクや茶色)
おりものに血が混じり、ピンクや茶色になっている場合、不正出血の可能性が考えられます。
生理時以外にピンクのおりものが確認された場合は、量が多くても少なくても不正出血を疑いましょう。
子宮筋腫や子宮頸がん、子宮体がんといった病気が原因となっている可能性もあるため、早めに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが大切です。
気になるおりものには漢方薬という選択肢も
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おりものが気になる人は、漢方薬を服用するのも選択肢のひとつ。漢方薬は、婦人科でも自然由来の治療薬として使われており、体質や症状に合わせて処方されています。
おりものの異常は、ホルモンバランスの乱れやストレス、血流不足が原因と考えられています。
そのため、「ホルモンバランスを整える」「泌尿・生殖器の炎症を鎮める」「水分の循環をよくして、老廃物を排出し、おりものを軽減する」「血流を改善して膣に栄養を与える」といった漢方薬を選び、根本改善を目指しましょう。
<おりものが気になる人におすすめの漢方薬>
・竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
比較的体力のある人に。陰部の熱を冷ますことで炎症を鎮め、おりものに働きかけます。
・温経湯(うんけいとう)
冷え症だが手足のほてりが気になる人に。下半身を温めて、血流をよくすることで、からだの熱バランスを整えておりものに働きかけます。
漢方薬を選ぶときは、自分の体質や状態に合っていることが大切。合っていないと、思わぬ副作用が出てしまうかもしれません。漢方薬を飲む前に、専門家に相談しましょう。
デリケートなおりものの悩みを対面で相談するのに抵抗があるという人には、スマホひとつで漢方薬のプロに相談できる「あんしん漢方」のようなオンラインサービスがおすすめです。
あんしん漢方では、漢方に精通した薬剤師がAIを活用し、自分に合う漢方を選んで自宅まで届けてくれます。おりものの悩みを抱えているのはつらいもの。少しでも気になる症状がある人は、まずは相談してみてはいかがでしょうか。
おりものの変化を見逃さず、健康でいよう!
おりものの変化は、健康状態を知る大切なサインです。まずはどういうおりものが正常なのか知り、そのうえで色や量、においに違和感を覚えたら、医療機関の受診を検討しましょう。
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
中田 早苗(なかだ さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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