食後、どうしても起きていられない……。
頑張りたいのに、なんだか気力がわかない……。
そんなあなたは、もしかしたら「かくれ低血糖」かもしれません。とくにスリムな女性や、食事を抜きがちな人は要注意です。
この記事では、かくれ低血糖の正体と、日常生活に取り入れやすい改善方法をご紹介します。
かくれ低血糖とは?
かくれ低血糖とは、血糖値の数値は正常でも、低血糖と似た不調があらわれる状態のこと。検査では異常が見つからないため、見逃されやすいといわれています。
かくれ低血糖によくある症状
かくれ低血糖の症状のひとつが「強烈な眠気」です。それ以外にも、食後に次のような症状を感じていたら、かくれ低血糖かもしれません。
・疲労感
・めまい
・頭痛
・動悸
・不安感
・発汗
・手の震え
・集中力の低下
・食後の腹痛
これらの不調は、食後の血糖値が急上昇した後、急激に下がることで起こります。
とくに糖質中心の食事をしたときに起こりやすいので、心当たりがある人は注意が必要です。
かくれ低血糖になりやすい人の特徴
かくれ低血糖の症状に身に覚えがある人は、次の特徴に当てはまっていないかチェックしてみてください。
糖質の多い食事をよく食べる
糖質の多い食べ物は血糖値を急上昇させ、上がった血糖値を下げようとインスリンが過剰に分泌されて低血糖を引き起こしやすくなります。
白米、麺、パン、砂糖たっぷりの飲み物(炭酸飲料・エナジードリンク・スポーツドリンク・缶コーヒーなど)を日常的に多く摂取する人は、注意が必要です。
食生活が不規則
朝食を抜いたり、昼夜の食事時間がバラバラだったりと、食事のリズムが不規則になっていませんか?
空腹時間が長くなることで、次の食事で血糖値が一気に上がり、その後急降下しやすくなります。
やせて筋肉量が少ない
低血糖になると、からだは足りないエネルギーを補うために、筋肉を分解して糖をつくり出そうとします。そのため、かくれ低血糖の人には、やせていて筋肉量が少ない人が多いとされています。
また、筋肉を分解するときに肝臓のALTという酵素がたくさん消費されるため、健康診断でALT値が低かったら、からだが無理をして糖をつくっているサインかもしれません。
かくれ低血糖を防ぐための食事習慣
かくれ低血糖の人は、眠気やだるさなどの不調を日常的に感じやすいもの。
そんな不調をやわらげるためにも、これからご紹介する食事習慣をぜひ日々の暮らしに取り入れてみてください。
食事の摂り方を見直す
まず野菜、次にたんぱく質、最後に炭水化物の順番で、ゆっくり時間をかけて食べましょう。これにより血糖値の急上昇を抑えることができます。
また、極端な糖質制限やドカ食いも避けましょう。不規則な食事や過度なダイエットは、血糖値の乱高下を招きやすくかくれ低血糖の原因になります。
少量の食事を複数回に分けて摂る
一度にたくさん食べるのではなく、1日の食事を少量ずつ何回かに分けて食べるスタイルもおすすめです。空腹のタイミングを減らすことで、血糖値の急上昇を避けることができます。
たとえば、夕食が遅くなる日は夕方におにぎりやサンドイッチを軽く食べておき、帰宅後に野菜やおかずを食べるようにしましょう。(※1)
低GI食品を摂る
GI値とは、食べ物が血糖値をどれだけ上げるかを示す数値のこと。このGI値が低い食品を選ぶことも、かくれ低血糖を防ぐのに効果的です。
たとえば、玄米、そば、納豆、ヨーグルト、きのこ類、海藻類、豆類などは、糖の吸収がゆるやかで腹持ちもいいので、毎日の食事に積極的に取り入れていきましょう。
低血糖による不調には漢方薬もおすすめ
低血糖による不調に悩んでいる人は、漢方薬を服用するのもおすすめです。漢方薬を服用することで、根本的な体質改善をめざせるため、食事や生活習慣の見直しとあわせて取り入れると、よりよい効果が期待できます。
漢方薬は、血流や消化・吸収の機能を改善し、必要なところに酸素と栄養を届けるサポートをするので、疲れやだるさなどの不調をからだの内側から整えていく手助けとなります。
<疲れやすい人におすすめの漢方薬>
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の働きを高めて、からだに気力を充実させることで、疲労・倦怠感に働きかけます。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血流をよくして、水分代謝を高めることで、婦人科系の機能を高めて、冷えや貧血を伴う倦怠感に働きかけます。
かくれ低血糖の人には、眠気や疲労感、頭痛などのさまざまな症状があらわれます。
悩みは人によって千差万別。せっかく漢方薬を服用するなら、自分の症状に合ったものを選びたいですよね。
漢方薬を選ぶときは、専門の知識をもつ薬剤師に相談するのが安心です。最近では「あんしん漢方」のように、オンラインで気軽に相談できるサービスも登場しています。自分に合った漢方薬を、お手頃な価格で自宅まで届けてくれるので、忙しい人にもぴったりです。
かくれ低血糖のサインを見逃さず、症状を改善しよう
食後の強烈な眠気やだるさは、かくれ低血糖のサインかもしれません。食事の摂り方や食べるものを見直し、自分に合ったケアを取り入れて軽やかな毎日を取り戻しましょう。
<参考文献>
(※1)「食べ方と食べる時間が血糖変動に影響を与える」今井 佐恵子, 梶山 静夫
https://doi.org/10.1271/kagakutoseibutsu.56.483
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211231g6sdf10033&utm_source=shindere&utm_medium=referral&utm_campaign=250513