生理前にめまいがするのはなぜ?婦人科医が教えるPMSめまいの原因と対処法

2025.04.11

  • X

「生理前になるとフラフラして立ちくらみが増える」「急にめまいがして仕事に集中できない」そんな悩みを抱えていませんか? もしかするとそれは、PMS(月経前症候群)の症状かもしれません。

生理前にはホルモンバランスの変化などに関連して、めまいが起こることがあります。生理周期のたびにめまいがあると、日常生活にも支障を及ぼしかねません。今回は、PMSによるめまいの原因と対処法を紹介します。

 

生理前にめまいが起きやすい理由

 

生理前にめまいが起きやすくなるのは、ホルモンの変動によって耳の奥にある内耳(ないじ)がむくんでしまうからだと考えられています。生理前のめまいはPMSの代表的な症状のひとつであり、耳鳴りや頭痛などの不調をともなう人もいます。

 

PMSとは生理前に女性ホルモンのプロゲステロンが増加したり、エストロゲンが減少したりすることに関連して生じる身体的・精神的な症状のことです。ホルモン変動で自律神経が刺激され、血圧や血流などが変動することがPMSのおもな原因です。

 

内耳には平衡を司る器官があり、むくむと平衡感覚が乱れてめまいを感じることがあります。PMSの症状や程度には個人差があるため、自分の体質や体調に応じた対処が必要です。

 

PMSのめまいが起きやすい人の特徴

 

PMSによるめまいは、冷え性や自律神経の乱れが起こりやすい人に多いといわれています。それぞれについて見ていきましょう。

冷え性

冷え性の人は血行不良を引き起こしやすく、肩こりや便秘、不眠など、さまざまな不調に悩まされることが多いといわれています。からだが冷えると頭部や内耳にも十分な血流が届きづらくなるため、めまいが起こりやすくなることがあります。

自律神経が乱れやすい

自律神経が乱れやすい人は、PMSによるめまいに敏感なことが多いです。自律神経には心拍数や血管の収縮、血圧などを調整する役割があり、ストレスやホルモンの変動などによって自律神経のバランスが崩れると、これらの調整機能も乱れてしまうことがあるのです。

 

自律神経が乱れた結果、血圧や心拍数などが変動しやすくなってめまいが起こることがあります。

 

生理前に起こるめまいの対処法

 

生理前にめまいを起こしやすい人は、次の3つの対処法を試してみましょう。

むくみを解消する

むくみの軽減に役立つ栄養素を摂って、むくみ対策を行いましょう。カリウムや、ビタミンEの1種であるγ-トコフェロールの摂取がおすすめです。

 

カリウムはバナナや海藻類、大豆などに豊富に含まれています。γ-トコフェロールは大豆油やコーン油などの植物油に多く含まれていますが、効率的に摂取するにはサプリメントの服用もおすすめです。

冷え性対策をする

血流をよくするために、冷え性対策を行いましょう。手足の血流をよくするストレッチ体操をしたり、入浴時に湯船にしっかり浸かったりしましょう。温かい飲み物を飲むのも効果的です。

 

また、ストールやカーディガンなどを持ち歩き、冷え込みの強い時間帯や室温が低い場所でもからだを冷やさないよう注意してください。

自律神経を整える

自律神経の乱れを解消することも、めまい対策のひとつです。ストレスや生活習慣の乱れは自律神経に悪影響となるため、意識的にリラクゼーションをとり入れ、規則正しい生活を送りましょう。バランスのいい食生活や適度な運動、質のいい睡眠も自律神経を整えるうえで大切です。

PMSのめまいは漢方薬でも対策できる

 

PMSのめまい対策には、漢方薬もおすすめです。実際に、耳鼻科や婦人科などでも、めまいやPMSの症状に対して漢方薬が処方されています。

 

めまいのおもな原因は、自律神経などの乱れによる内耳のトラブルだと考えられています。そのため、めまいの改善には「血流をよくして脳や耳に酸素や栄養を届ける」「内耳の水分の循環をよくして内耳の機能を改善する」「自律神経を整えてストレスが原因のめまいを改善する」といった生薬を含む漢方薬が選ばれます。

 

漢方薬は根本からの改善を得意としているので、めまいが起きにくい体質を目指したい人にもおすすめです。

 

<PMSのめまいにおすすめの漢方薬>

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷え症で疲れやすい人のめまいや肩こり、耳鳴り、貧血などの症状に用いられます。

 

・半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう):胃腸が弱く下肢が冷える人のめまいや頭痛、立ちくらみなどに用いられます。

 

・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):めまいやふらつき、ときにのぼせや動悸がある人のめまい、耳鳴り、頭痛などに用いられます。

 

めまいに効果のある漢方薬にはさまざまな種類があり、自分の体質や体調に適したものを選ぶことが重要です。合わないものを選んでも十分な効果は得られず、副作用が出やすくなる場合もあるので注意しましょう。

 

自分に合った漢方薬を見極めるには、「あんしん漢方」のようなオンライン漢方相談サービスで、漢方薬のプロに相談するのがおすすめです。スマホひとつで相談ができ、ぴったりの漢方薬を自宅に送付してもらえるので気軽にチェックしてみてくださいね。

 

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211231g6sdf10022&utm_source=shindere&utm_medium=referral&utm_campaign=250408

PMSのめまい対策を始めよう!

PMSの症状のひとつとして、生理前のめまいがあります。ホルモンの変動や内耳のむくみがPMSによるめまいの原因とされており、むくみや冷え性の改善、自律神経の乱れの解消などがめまい対策に有効です。漢方薬も役に立つので、専門家に相談してみましょう。

 

<この記事の監修者>

 

横倉恒雄(よこくらつねお)医師
婦人科・内科・心療内科医

医学博士/医師。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を創設。故・日野原重明先生に師事。ストレスなどから不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。新刊本『今朝の院長の独り言』(青春出版社)はポジティブなメッセージに溢れていると話題に。クリニックで行われている講座も好評。

 

<漢方監修>

木村 英子(きむらえいこ)

あんしん漢方薬剤師

 

北里大学薬学部・東京大学大学院医学系研究科卒。臨床検査技師。

厚生労働省検疫所・病院にて公衆衛生・感染症現場を経て、インドアーユルヴェーダの権威ミーナクシ・アフジャ博士に師事。

 

対症療法ではなく体質を根本改善することの重要さを痛感し、西洋医学をベースに東洋医学からのアプローチを取り入れ、アロマやハーブを活用した情報発信を行う。

 

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。


●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211231g6sdf10022&utm_source=shindere&utm_medium=referral&utm_campaign=250408

この記事に関連するキーワード

記事を探すページに戻る