図1:「レシソーム」模式図
「レシソーム」とは? W/W/O型乳化の革新
今回開発された「レシソーム」は、この課題を解決するW/W/O(Water in Water-soluble polymer in Oil)型の新しい乳化技術です。合成界面活性剤を使用せず、細胞膜の主成分である「レシチン」を用いて乳化。さらに、親水性ポリマーで水分をキャッチし、オイル成分のベールで水分を閉じ込めるという独自の構造を持っています。
「レシソーム」の4つの特長
- 塗った瞬間、オイル成分が迅速浸透 「レシソーム」の構造は、肌の細胞膜と非常に似ています。最も外側にあるオイル分子が細胞膜の脂質と親和性が高いため、塗布と同時にオイル分子が広がり、水分や有効成分とともに素早く角質層まで浸透します。従来のO/W(Oil in Water)型クリームと比較した検証では、「レシソーム」は塗布直後に肌表面のテカリがなくなり、オイルが肌に残っていないことが確認されました。浸透速度も通常のO/W型より約1.5倍速いという結果が出ています。
- オイル成分50~70%の高含有が可能 ワセリン、スクワラン、ホホバオイルなど、様々なオイル成分を50%〜70%という高濃度で配合できるのが「レシソーム」の強みです。水溶性分子とオイルのバランスを絶妙に保つ独創的な乳化技術により、安定したソーム(小胞)が実現しました。この技術は、化粧水、乳液、クリームなど、あらゆる製剤に応用可能です。
- ”するっとみずみずしい”オイルの使用感 「レシソーム」は非常に柔らかいソーム形態なので、肌に塗った際の抵抗感がほとんどありません。摩擦係数の検証では、通常のW/O(Water in Oil)型と比較して約3倍の伸びがあることが確認されました。驚くほど薄く、みずみずしく伸び広がるテクスチャーは、まるでオイルが入っていることを忘れてしまうような軽さでありながら、6時間以上水分保持力が持続する優れた保湿力も兼ね備えています。
- 天然指数90%以上、多様なオイル製品展開 「レシソーム」技術の天然指数は90%以上と高く、オーガニック、自然化粧品、無添加化粧品への応用も可能です。乾燥肌、脂性肌、混合肌向けの昼用・夜用クリーム製品はもちろん、ボディクリームやハンドクリームなど、幅広い製品への展開が期待されます。
今後の展望とCITE JAPAN 2025への出展
「レシソーム」は、皮膚の乾燥に起因する症状やアトピー性皮膚炎の治療、予防、改善に有用な組成物として特許(※2)を取得しています。今後は、乾燥肌、敏感肌、アトピー肌などのトラブルケア製品への応用を積極的に進めていくとのことです。
コスメディ製薬は、2025年5月14日(水)から16日(金)までパシフィコ横浜で開催される「第12回化粧品産業技術展(CITE JAPAN 2025)」にブースを出展しました。
コスメディ製薬について コスメディ製薬株式会社は、京都薬科大学発のベンチャー企業で、TTS(経皮吸収治療)に特化した研究開発を行っています。「マイクロニードル」や「貼付剤」といったコア技術を強みに、医療・医薬、美容・健康領域で事業を展開。伝統と革新が共存する京都で、独創的なものづくりを通じて、顧客の想像を超える製品・サービスを提供しています。
会社概要
- 社名: コスメディ製薬株式会社
- 本社所在地: 〒601-8438 京都市南区西九条東比永城町75 GRAND KYOTO 3F
- 代表者: 代表取締役社長 権 英淑
- 設立: 2001年5月30日
- コーポレートサイト: https://cosmed-pharm.co.jp
※1:年を重ねた肌にうるおいを与える ※2:特許第7482496号