こんにちは。
株式会社STAGE・株式会社Cport代表の藤井美樹です。
これまでのコラムでは、“整える”とは自分の力を正しく発揮できる状態をつくること、そして外見のコンディションが日々のパフォーマンスに大きく影響することをお話ししてきました。
今回はさらに一歩踏み込んで、「整える習慣をどう日常に落とし込むか」をテーマにお届けします。
食事を整える:数字に振り回されない食べ方
昼食後に強い眠気を感じることはありませんか?
これは「血糖値スパイク」と呼ばれ、急上昇した血糖がインスリンによって急降下することで、倦怠感や集中力の低下を招く現象です。さらにインスリンは脂肪の分解を抑えて合成を促すため、体脂肪の蓄積にもつながりやすいのです。
私自身も、かつては「低カロリーならいい」と思い込み、極端な食事制限や置き換えダイエットを試したことがありました。確かに一時的には体重が落ちても、風邪をひきやすくなったり、基礎代謝が落ちてリバウンドを繰り返したり、思うように元気に過ごせなくなってしまったのです。
そこで学んだのは、大切なのは「PFCバランス」と「食物繊維」。炭水化物を完全に抜くのではなく、血糖の上がり方をゆるやかにする工夫を続けることが、体脂肪率や体調の改善につながりました。
もちろん、自分ひとりで正確に管理するのは簡単ではありません。アプリやAIの力も借りてきましたが、写真から「何グラム食べたか」を完全に把握することは難しい。そこで役立ったのが、管理栄養士との対話です。腸内環境に合わせて乳酸菌を取り入れるアドバイスや、食前に青汁で食物繊維を補ったり、高カカオチョコを少量とって血糖値の上がり方をゆるやかにする工夫など、自分では思いつかないプロの視点ももらえることが、習慣を続ける支えになりました。
✅ 今日からできるワンアクション:食事の前に「野菜をひと口先に食べる」ことから始めてみましょう。
睡眠を整える:寝落ちではなく、整えて眠る
私には「帰宅してソファに座る」という習慣がありません。カバンを置いたらそのままお風呂へ直行。必ずメイクや汚れを落とし、体をリセットしてから眠りの準備に入ります。
ダブルワークやトリプルワークをしていた時期もありましたが、それでも寝落ちしたことは一度もありません。なぜなら、寝落ちする前の時間は作業の質が低く、翌朝にはほとんど覚えていないことが多いから。努力を水に流すような行為だと思うと、とてももったいなく感じるのです。
眠る前の1時間をどう過ごすかで、翌日のパフォーマンスは大きく変わります。
✅ 今日からできるワンアクション:帰宅後は座らずに「まず洗面所やお風呂へ直行する」ルールを作ってみてください。
セルフケアで整える:小さな継続が大きな差に
シャワーで済ませず湯船につかることも、私の大切な習慣です。研究によると、毎日入浴する人は心疾患や脳卒中のリスクが低く、要介護リスクも減少することがわかっています。日本人の長寿の背景に「入浴習慣」があるとまで言われているのは、血流や自律神経に確かな影響があるからです。
お風呂上がりには顔だけでなく足まで保湿をし、ベッドに入る前には軽いストレッチをします。どれも「頑張る」というより「気持ちがいいから自然と続いている」ことばかりです。
✅ 今日からできるワンアクション:入浴後に「顔と一緒に足まで保湿する」ことを試してみてください。乾燥を防ぐだけでなく、自分を大切にする感覚が高まります。
まとめ
ここまでお話ししたのは、食事・睡眠・セルフケアという“生活の基本”に根ざした整え方です。小さな積み重ねでも、行動を整えることで毎日のパフォーマンスは確実に変わっていきます。
ただし、どんなに行動を工夫しても「続けられるかどうか」は別の課題。そこで大切になるのが、心の持ち方や思考の整え方です。
次回は、「続ける力を育てるための工夫と心の整え方」についてお話しします。
【プロフィール】
藤井美樹
株式会社STAGE・Cport代表。
“装い・内面・健康を整える”を軸に、複数のブランドを展開。
・装いの自己実現を支援する《オーダースーツサロン|Visionné》
・脳と心を整える《ドライヘッドスパサロン|Salon by Papillons et nature》
・美容と健康を支える《オーガニックセレクトショップ|Papillons et nature》
働く人たちが、日々のパフォーマンスや判断力、人との関係性をよりよくするために、
「整えること」からライフスタイルを見直す支援を行っている。
自身の経験を活かし、講演・執筆活動を通してキャリア設計やセルフマネジメントをテーマに発信。
国家資格を持つ管理栄養士や熟練のスタイリストなど、各分野のプロフェッショナルと連携し、
一人ひとりに合わせた実践的なサポートを届けている。