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春の訪れとともにやってくる花粉症。
花粉が人のからだに与えるアレルギー症状といえば、鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどが一般的ですが、肌トラブルを引き起こすこともあるのを知っていますか?
花粉の季節になると肌のかゆみや赤みなどが気になる人は、花粉皮膚炎かもしれません。
花粉皮膚炎は、花粉症の症状がない人でも発症することがあるため油断は禁物です。
今回は花粉皮膚炎の症状と対策法を紹介します。
粉皮膚炎とは?
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花粉皮膚炎とは、花粉が皮膚に接触することで起こる皮膚炎です。
あまり聞きなじみがない症状ですが、じつは1940年代から発症報告がされており、花粉症同様昔から人を悩ませてきました。
花粉皮膚炎の症状や特徴を紹介するので、当てはまるものがないか確認してみましょう。
花粉皮膚炎の症状
花粉皮膚炎のおもな症状は、肌の赤み、かゆみ、はれ、むくみ、皮膚の乾燥です。
花粉皮膚炎は花粉が肌に触れることで発症するため、マスクやメガネ、衣服などで覆われていない場所で症状があらわれます。
花粉皮膚炎は、花粉症のアレルギー反応とは異なるメカニズムで起こるケースがあるため、花粉症の症状がない人でも発症することがあります。
そのため、花粉症の有無にかかわらず注意が必要です。
花粉皮膚炎に注意すべき人の特徴
花粉皮膚炎になりやすい人の特徴として、肌が乾燥しやすい、アトピーなど皮膚疾患がある、花粉症などのアレルギー体質の人、花粉が飛び交う場所にいる時間が多い人があげられます。
肌が乾燥しやすい人や皮膚疾患がある人は、肌のバリアが弱く刺激を受けやすい状態です。
そのため、付着した花粉が刺激になり、肌トラブルが起こってしまうことがあります。
また、花粉症を含めアレルギー体質の人は、からだに侵入しようとする異物に対してアレルギー反応を起こしやすいため、花粉皮膚炎になりやすいです。
そのほか、屋外など花粉が飛び交う場所で作業をすることが多い人は、花粉に接触する時間が多くなる分、花粉皮膚炎のリスクも高まります。
以上の特徴に当てはまる人は、花粉皮膚炎予備軍だといえるでしょう。
花粉皮膚炎は皮膚科で治療できる
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花粉皮膚炎は皮膚科で治療することが可能です。
花粉に全く触れずに生活するのは難しいので、医療の力を借りるのも得策といえるでしょう。
皮膚科で治療を受けるとき、覚えておきたいポイントを紹介します。
一般的な治療法
花粉皮膚炎の治療には、外用薬とアレルギーの内服薬を併用するのが一般的です。
薬での治療に加えて、毎日のスキンケアを適切に行うことでその効果を高めることができます。
花粉による肌のダメージを最小限に抑えるためにも、洗顔や保湿を優しく丁寧に行いましょう。
花粉が飛ぶ2週間前からの治療が有効
花粉皮膚炎の治療は、花粉が飛ぶ2週間前から行うことが望ましいとされています。
花粉が本格的に飛び始める前に抗アレルギーの薬を使うことで、症状をコントロールしやすくなるからです。
花粉の飛散予測は天気予報などで発表されるので、こまめに確認して早めに治療を始めましょう。
花粉皮膚炎を防ぐには
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花粉皮膚炎を防ぐためには、花粉が付着しないようにすることと花粉が付着した際のダメージを抑えることがポイントです。
おすすめの対策方法を紹介するので試してみてください。
たっぷりの泡でやさしく洗顔する
花粉皮膚炎に悩まされる人は、肌が敏感な場合が多いです。
そのため、付着した花粉をとりたいからとゴシゴシ顔をこするのはNG。
摩擦により肌が余計にダメージを受けてしまいます。
洗顔をするときは、摩擦を与えないようたっぷりの泡で優しく洗うことを意識しましょう。
保湿剤で肌を保護する
肌が乾燥していると肌に花粉が付着した際にダメージを受けやすくなってしまいます。
保湿剤を使って角質のバリア機能を保持することを心がけましょう。
肌質や好みにもよりますが、花粉を付着させないよう、油分が多めのものを選ぶのもおすすめです。
花粉の季節はとくにスキンケアを丁寧に行うことが花粉皮膚炎対策のカギとなります。
眼鏡やマスクで露出を少なくする
花粉皮膚炎は花粉が皮膚に触れることで発症します。
そのため、できるだけ肌の露出を少なくすることで対策をすることが可能です。
外出する際は、眼鏡、マスク、帽子などで花粉から身を守りましょう。
ある研究では、通常の眼鏡で約40%、花粉症眼鏡で約65%の花粉を防ぐことができると報告されています。(※1)
花粉の影響を最小限に抑えたい人は、花粉症用メガネの活用を検討してみましょう。
漢方薬で体質改善をする
花粉皮膚炎の対策には漢方薬もおすすめです。
漢方薬は根本からの改善を得意とするため、花粉皮膚炎になりにくいからだを目指すことが可能です。
花粉皮膚炎の悩みには、「炎症を和らげる」「水分の循環をよくしてアレルゲンや老廃物を排出する」「血流をよくして皮膚に栄養を行き渡らせる」といった働きをもつ漢方薬を選ぶのがいいでしょう。
<肌トラブルにおすすめの漢方薬>
・荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
鼻やのどの炎症、にきびなどの肌トラブルに用いられる漢方薬です。
水分の巡りをよくするとともに、からだの上部にたまった熱を放出することで炎症も和らげる働きがあるため、とくに首から上の炎症に効果が期待できます。
・当帰飲子(とうきいんし)
慢性湿疹やかゆみなどにも用いられる漢方薬です。
血行をよくして皮膚に栄養と潤いを与える効果があるため、カサカサする湿疹や皮膚炎に効果が期待できます。
「自分にあう漢方薬がわからない」「漢方薬を飲んだことがなくて不安」という人でも心配はいりません。
最近は症状や体質に合わせて自分にあった漢方薬をAIが選んでくれる「あんしん漢方」というサービスもあります。
自宅からインターネットで簡単に診断できるので、忙しい人にもぴったりです。
日々の対策に漢方薬を追加してみるのはいかがでしょうか。
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花粉対策はお早めに
花粉皮膚炎は花粉が肌に付着することで発症する肌トラブルです。
花粉対策は花粉の季節が本格化する前に始めることでより高い効果が見込めます。
とくに、肌が弱い人やアレルギー体質の人は発症する確率が高いため注意が必要です。
花粉皮膚炎の可能性がある人は、早めに対策を始めましょう。
【参考文献】
(※1)「花粉症環境保健マニュアル2022(令和4年3月改訂)」環境省
https://www.env.go.jp/content/900406385.pdf
<この記事の監修者>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
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