さつ処分のない未来を目指して――保護猫支援ブランド『nyaunyau』猫の日に届けたい、1枚のTシャツが生まれた誕生秘話

2026.03.10

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2月22日の猫の日を前に、タキヒヨー株式会社によって動き出した寄付付きTシャツ企画。

ブランド名は『nyaunyau』。1枚のTシャツがどのように保護猫の未来に届くのか、プロジェクトメンバーに話を聞いた。


――まず、このプロジェクトが始まったきっかけを教えてください。 きっかけは、とある保護ねこシェルターを訪れたことです。

多頭飼育崩壊から救出された猫たちがいたんですが、人間を強く警戒するのが伝わってきて…。

キャットウォークの上から、無表情でじっとこっちを見てるんですよ。

劣悪な環境での繁殖や、幼すぎる子猫の販売。目にしたのは構造的な問題そのものでした。

「ただ可愛い」だけの世界じゃないんだと。猫たちが安全に過ごせる環境を守るために、自分たちに何ができるのか。

考えた末にたどり着いたのが、ファッションを入口にして保護活動の認知を広げること。

ペットとの向き合い方を考える声を、着るもので届けていくというやり方でした。

――『nyaunyau』というブランド名、響きがすごくいいですよね。

猫がリラックスしてごはんを食べてるとき、ムニャムニャって鼻歌みたいな声を出すじゃないですか。あの音がもとになっています。

候補には『ウミャウミャ』なんてのもあったんですけど(笑)、覚えやすさと温かみで『nyaunyau』に落ち着きました。

猫たちの毎日が、あんなふうに穏やかな声で満たされてほしいなって。

――お声がけするイラストレーターさんはどのように決めたんですか? 【プリントイメージ(一例)】


イラスト提供:左から ayanariaiさん、すいかねこさん、ハラミチヨさん

猫を愛していること。保護活動への理解があること。この2つは絶対条件でした。

SNSを通じて直接声をかけ、私たちの想いに共感してくださった方にお願いしました。

テイストがそれぞれ違う3名にお願いできたのは、結果的にすごく良かったなって思います。

猫好きって、可愛すぎると逆に着にくいとか、リアルすぎると好みが割れるとか、意外と選ぶのが難しいんですよね。

デザインの幅を持たせたことで、そのあたりの悩みにちゃんと応えられるようになりました。

――ファッションアイテムとしてのこだわりについて教えてください

メインターゲットは40〜50代の女性です。大人が普段着として気負わず着られるものにしたかった。

シルエットは体型を拾いすぎないゆったり設計。お出かけ着や部屋着にも使える守備範囲の広さを意識しました。

遊び心もちゃんと入れていて、袖口には各作家さんのサイン刺繍が入ります。

ブランドタグは猫のひげがモチーフ。頬のひげだけじゃなくて、目の上のひげまで再現しているんですよ。

刺繍の色はボディカラーに馴染むものを選んでいます。

キャラクターものって主張が強くなりがちですけど、普段のコーディネートに自然に溶け込む仕上がりを大事にしました。

――Tシャツ1枚の販売につき、22円の寄付をされるとお聞きしました 売上の一部を、弊社を通じて公益財団法人日本動物愛護協会にお届けします。

飼い主のいない猫の不妊・去勢手術の費用や、譲渡会の活動資金に充てられます。

22円、つまりニャンニャン。数字自体にメッセージを込めました。

購入してくださった方が、ふとTシャツを手に取ったときに「あ、猫のためになってるんだな」と思い出す。そんなきっかけになればいいなと思っています。

――最後に、この取り組みを通じてどんな変化を期待しますか?

「可愛いから着る」それだけの理由で選んだ1枚が、結果として猫の命を救うことにつながる。

そういうやさしい距離感の支援が、もっとあってもいいのかなと思います。

猫を飼っている方はもちろん、今はまだ飼っていないけど気になっているという方にも、Tシャツをきっかけに保護活動の現状を知ってもらえたら嬉しいですね。

だからこそ、一過性のブームとして終わらせたくないんです。

ペットとの向き合い方を考える人が増えて、保護団体を応援することが当たり前になる。

そんな社会を目指して、これからも活動を続けていきます。


普段は二匹の愛猫からネコハラを受けるのがルーティンであり、自他ともに認める猫バカの筆者。

キャットウォークの上から人間を警戒していた猫たちが、いつかムニャムニャと鼻歌まじりにごはんを食べる未来を強く願うきっかけとなりました。

【nyaunyauの取り組み】

人気イラストレーター3名が描くねこのイラストをプリント・刺繍したTシャツなどのアパレル商品を販売し、1点の購入につき22円を、製造元である弊社を通じて公益財団法人日本動物愛護協会へ寄付しています。寄付金は、飼い主のいないねこの不妊去勢手術や、新しい家族を探す譲渡会の活動費に充てられます。商品は1月下旬から、全国のGMSを中心に展開中です。

【誰もが気軽に参加できる寄付の仕組み】

2月22日のねこの日にちなんだ「1商品につき22円」の寄付。使い道はTNR活動と譲渡会支援に絞っています。問題の根本に届く活動に特化することで、購入者の気持ちが確実に現場へつながる仕組みにしました。

アパレルメーカーとしてのものづくり

水彩画の繊細なタッチや温かみのある世界観を忠実に再現するプリント技術を採用しています。着心地のいい素材選び、日常のコーディネートに馴染むデザイン。チャリティだからといって品質で妥協しない、長く着られるアパレル製品です。

【想いを共有する3名のイラストレーターとの共創】

参加するのは、保護猫との出会いをきっかけにねこを描き始めたayanariaiさん、保護猫と暮らしながらほっこり温かいイラストを生み出すすいかねこさん、TNR活動の象徴であるさくらねこをモチーフにするハラミチヨさんの3名。

・イラストレーター プロフィール
ayanariai(あやなりあい)
水彩絵具を用いて温かみある世界を表現するイラストレーター。2014年に野良猫を保護した日をきっかけに、猫に魅了されている。現在は京都を拠点に活動。
Instagram

すいかねこ
神奈川県在住、保護猫と暮らすイラストレーター。「ほっこり心があたたまるイラスト」を目指して、動物や植物をシンプルで可愛らしく描いている。
Instagram

ハラミチヨ
大阪在住のイラストレーター。「完全室内飼いのネコたちの暮らし」をテーマに作品を発表。2019年からはTNR・保護猫への理解を広めるために、耳にV字カットの入った「さくらねこ」のキャラクターも作品に登場させている。
Instagram

・日本動物愛護協会について
動物愛護思想の普及啓発と愛護活動の推進を目的として、日本、イギリス、アメリカなどの有志の協力によって昭和23年に社団法人日本動物愛護協会として設立。
その後、昭和30年に財団法人に改組し、さらに平成24年4月1日、公益財団法人へと改組しました。創立以来、動物愛護思想の社会への発信と動物愛護活動を推進しています。
公式ウェブサイト

この記事を書いた人

山田 花子

みかみ

健康・美容オタクのWebライター。ライティングの他、SNS運用代行やインサイドセールス、人事コンサルも幅広く手掛けている。人の想いやビジョンをエモく伝えるインタビュー&ライティングが得意。無類の猫好きであり、猫専門メディア「ねこナビ」では猫コラムを更新中。

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