冬になってから、全身のカサカサ肌が気になっている人はいませんか? 全身の乾燥を予防・改善するには、スキンケアによる外側からの保湿と併せて、インナーケアでからだを内側から潤わせるのがおすすめです。今日から取り入れられるインナーケアで、乾燥肌に悩まない冬を過ごしましょう!
乾燥が招く肌トラブル
乾燥は、さまざまな肌トラブルを引き起こす原因です。代表的なものとして、かさつきや粉ふき、かゆみ、赤み、湿疹、あかぎれ、ひび割れなどが挙げられます。また、肌がごわついて化粧ノリが悪くなる、ツヤがなくなる、小じわが増えるなど、乾燥肌は健康面だけでなく、美容面にも大きな影響を与えます。さらに、長期間の肌の乾燥は、小じわが深いしわになったり肌がたるんだり、くすみで透明感がなくなったりなどの肌老化にもつながっていくため、早めのケアが重要です。
乾燥肌を改善するためのインナーケアとは
乾燥肌を改善するには、水分を保つために必要なセラミドや細胞間脂質、アミノ酸が原料の天然保湿因子(NMF)などが肌に十分に存在する状態にしなければいけません。そのためには、スキンケアで肌の表面をケアするだけでなく、インナーケアでからだの内側も整えることが重要です。
スキンケアはセラミドが配合されたものを選び、乳液やクリームで水分の蒸発を防いで乾燥対策をしましょう。インナーケアでは肌に必要な栄養素を補給したり血行を促したりすることで、スキンケアではアプローチできない真皮のコラーゲンの生成を促し、肌のターンオーバーを整え、全身のカサカサ肌の改善を目指します。
具体的なインナーケア方法については、この後ご紹介していきます。
乾燥を防ぐインナーケアのメソッド
以下は、肌の乾燥を防ぐためのインナーケアです。
1日2.3リットルを目安に水分補給
体内の水分が不足すると肌の潤いも減ってしまうため、1日に必要とされる水分量である2.3〜2.5L程度を目安に水分補給を心がけましょう。冬は夏と比べて水分摂取量が減りやすいため、意識的に水分補給する習慣を付けることが大切です。水分補給をするときのポイントは、一度に大量に摂取するのではなく、1日に必要な量を複数回に分けて摂ることです。とくに、水分不足になりやすい起床時やお風呂の前後、就寝前には必ず水を飲むようにしましょう。(※1)
適度な運動で発汗を促す
適度な運動は、血行を促して肌に栄養を行き渡らせ、ターンオーバーの正常化に働きかけます。ただし、冬の外での運動は、空気の乾燥や寒さなどが乾燥肌にダメージを与えてしまう可能性があります。乾燥肌の改善のための運動は、室内で踏み台昇降やヨガをしたり、スポーツセンターやジムのマシンを利用してサイクリングやランニングしたりするのがおすすめです。
質のよい睡眠をとる
質のよい睡眠は、成長ホルモンの分泌を促し、肌ダメージを修復したりターンオーバーを整えたりするのに役立ちます。成長ホルモンは、入眠2〜3時間後の深いノンレム睡眠時にもっとも分泌されます。寝付きをよくしてスムーズに深い眠りに入れるように、就寝前はリラックスできる環境を整えましょう。具体的には、就寝の2時間前に入浴する、夜は電球色(オレンジ色の光)に切り替える、アイマスクを着用するなどの方法が挙げられます。
栄養バランスのよい食事を摂る
肌は、ビタミンやミネラル、アミノ酸、脂質など、さまざまな栄養素で構成されています。乾燥肌を改善するには、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。とくに、天然保湿因子をつくるためにも必要なたんぱく質は、不足している人が多い傾向にあります。成人女性の推奨量である1日50gのたんぱく質の摂取を目指しましょう。食材からたんぱく質を50g摂取するには、豚肉や鶏むね肉250g、さば200g、たまご8個、納豆6パック、木綿豆腐2丁ほどが目安です。1回の食事で摂るのは大変なので、毎食しっかりたんぱく質を摂るのが大切です。(※2)
生活改善が難しいときは漢方の力を借りよう
すぐに生活習慣を改善するのが難しいときは、飲むだけで乾燥肌対策ができる漢方薬の力を借りるのもいいでしょう。漢方薬には、「血流や水分の循環をよくして肌に潤いを与える」「消化・吸収機能を改善して肌に栄養を行き渡らせる」「肌の新陳代謝をよくする」「肌の炎症を抑えて湿疹やかゆみを改善する」といった作用をもつものがあります。漢方薬は根本改善を目指すことによって、肌が乾燥しにくい体質づくりに役立ちます。また、自然由来の成分が中心で、西洋薬に比べて副作用のリスクが低いのも魅力です。
<乾燥肌におすすめの漢方薬>
当帰飲子(とうきいんし)
肌に栄養と潤いを与え、血行をよくしてバリア機能を高め、乾燥性のかゆみや湿疹に働きかけます。冷え症で肌の色つやが悪く、体力の低下した人におすすめです。
温清飲(うんせいいん)
血行をよくして肌に栄養を届け、余分な熱を冷まして肌の炎症に働きかけます。乾燥を伴う炎症性湿疹、手荒れなどの改善に使われており、肌の色つやが悪く、のぼせやすい人におすすめです。
漢方薬は体質や症状に合わせて選ぶ必要があります。「あんしん漢方」のような、オンラインで専門家に相談できるサービスを利用しながら、無理のない形で生活に取り入れましょう。
肌を内側から潤わせて冬の乾燥知らずに
全身の乾燥を予防・改善するには、からだの外側と内側の両方からアプローチするのが重要です。日々のスキンケアと併せて、今回ご紹介した肌を潤わせる生活習慣を取り入れてみましょう。また、毎年冬になるとカサカサ肌を繰り返しているとお悩みの人は、根本から体質改善を目指せる漢方薬の力を借りるのもおすすめです。インナーケアで肌を内側から潤わせ、カサカサ肌に悩まない冬を過ごしましょう!
参考文献
※1 厚生労働省「〈参考〉水」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586571.pdf
※2 厚生労働省「たんぱく質」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586557.pdf
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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