藤井美樹WeeklyコラムVol.26 整えたことで、手放したもの

2026.03.19

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こんにちは。
株式会社STAGE・株式会社Cport代表の藤井美樹です。

ここまでこのコラムでは、外見、感情、人との関係、環境、時間と、さまざまな角度から「整える」というテーマを扱ってきました。

整えるとは、自分の力を正しく発揮できる状態をつくること。

では、その状態に近づいていったとき、何が起きるのでしょうか。

私は、整えば整うほど前に進めると思っていました。
足りないものを足し続ければ、理想に近づけると信じていたのです。

けれど今振り返ると、それは気づかないうちに入り込んでいた落とし穴でした。

→足せばよくなると思っていた

美容に良いとされるもの、健康に良いと言われるもの、最新で話題のもの。
仕事でも、新しいスキルや資格を足せば前に進めると信じていました。

足りないから、足す。
うまくいかないのは、努力が足りないから。

そうやって、常に何かを積み上げようとしていたのです。

頑張ることを、頑張っていた

ダイエットは、その象徴でした。

次から次へと流れてくる情報に振り回され、食事を極端に減らし、我流で断食を試し、過度な運動をする。続かなければ、自分の継続力や根性を疑う。

けれど、結果を出している人に実際に会ったとき、違和感がありました。
同じように努力しているのに、どこか軽やかだったのです。

そのとき、はっとしました。
頑張り方が違っていたのかもしれない、と。

頑張ることを、頑張っていただけだったのかもしれません。

減らし始めて、整い始めた

そこから私は、足すことよりも減らしすることを始めました。

石油由来や化学合成添加物の多いものをやめる。
何でもかんでも話題の商品に飛びつかない。
無理な食事制限をやめ、PFCバランスやビタミン、ミネラル、食物繊維を整える。
我流の断食をやめ、生活に合わせて専門家の視点を取り入れる。
過度な運動をやめ、続く方法に変える。
寝る前のスマートフォンも、工夫ひとつで睡眠の質は変わります。

減らしていくと、不思議と体も心も安定していきました。

整えることは、盛ることではなく、余計なものを外していくことなのかもしれません。

手放したのは、役割だった

本当に大きかったのは、美容や健康よりも「役割」でした。

人間関係の間を取り持つこと。
落ち込んでいる人の受け皿になること。

それをやめるのは勇気がいりました。
けれど、自分を犠牲にしてまで続けることが本当に優しさなのか。
そう考えたとき、まず自分を整えることが先だと気づきました。

母子関係はわかりやすい例です。
母親が穏やかに笑っていると、子どもも自然と笑う。

自分が整うことは、周囲への影響でもあるのだと感じました。

余白は、まだ練習中

ただ、まだ手放せていないものもあります。

何もしない時間に落ち着かない自分。
余白に憧れながら、埋めたくなるせっかちな自分。

整えることに、終わりはありません。

もし今、足し続けて少し疲れているなら、今日はひとつ、やめてみることを選んでみませんか。

整えることは、特別な誰かのためのものではなく、自分の状態を丁寧に見直すことから始まります。
一人で抱え込まなくてもいい。
視点が少し変わるだけで、いらなかった努力に気づくこともあります。

その余白から、次の選択が静かに立ち上がってくることもあります。
そしてときには、自分が「正しい」と信じていた前提そのものに、気づくことも。

PROFILE

藤井 美樹

株式会社STAGE・Cport代表
“装い・内面・健康を整える”を軸に、複数のブランドを展開。
・装いの自己実現を支援する《オーダースーツサロン|Visionné》
・脳と心を整える《ドライヘッドスパサロン|Salon by Papillons et nature》
・美容と健康を支える《オーガニックセレクトショップ|Papillons et nature》
働く人たちが、日々のパフォーマンスや判断力、人との関係性をよりよくするために、「整えること」からライフスタイルを見直す支援を行っている。自身の経験を活かし、講演・執筆活動を通してキャリア設計やセルフマネジメントをテーマに発信。国家資格を持つ管理栄養士や熟練のスタイリストなど、各分野のプロフェッショナルと連携し、一人ひとりに合わせた実践的なサポートを届けている。

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