インタビュー:株式会社JAPAN CRAFT SAKE COMPANY 柏﨑氏が語る、「CRAFT SAKE WEEK」と日本茶・ティーペアリングが切り拓く未来

2026.07.27

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美容とウェルネスの総合メディア「Cinderella Fit(シンデレラフィット)」編集長の髙部です。
今回は、日本最大級の日本酒イベント「CRAFT SAKE WEEK」を手がけ、日本文化の魅力を多角的に発信し続ける株式会社JAPAN CRAFT SAKE COMPANYで日本茶を担当する柏﨑 さまにお話を伺いました。
近年の食シーンにおいて、日本酒やワインと並び、大きな注目を集めている「次世代ティーペアリング」の概念、そして中田英寿氏をはじめとするプロフェッショナルたちが挑む日本茶の可能性について、深く掘り下げていきます。

Special Interview & Report

「日本茶を食体験の主役に」——既存のペアリング文化との決定的な境界線

髙部(以下、髙部): 本日はありがとうございます。CRAFT SAKE WEEKの会場でも圧倒的な存在感を放っている「HANAAHU TEA(ハナアウ ティー)」ですが、ワインや日本酒といった既存のペアリング文化と比較して、日本茶が持つ「決定的な境界線」はどこにあるとお考えでしょうか?

柏﨑さま(以下、柏﨑): 一番の大きな違いは、やはり「アルコールを含まない」ことによる飲み疲れのなさですね。お茶自体には糖分が含まれていませんので、どれだけお料理とともに楽しんでいただいても、体に負担がかかりません。
その上で、ワインや日本酒とはアプローチの仕方が異なり、緻密な「旨みのコントロール」ができる点が強みです。茶師十段の山口真也氏による最高峰の目利きと、ソムリエの大越基裕氏の知見を掛け合わせることで、旨みの概念に囚われず、発酵度合いや採取時期、焙煎具合、茶葉品種や産地 まで緻密に設計しています。酸味・苦味・渋味・旨みをバランスよく構築しているからこそ、和食はもちろん、フレンチやイタリアンといったモダンな食卓の主役になり得るポテンシャルを持っています。

 

初の一般向け販売(桐箱セット)解禁の背景と、茶業界が抱える課題

髙部: これまではトップレストランを中心に展開されていましたが、今回のイベントに合わせて初となる一般向け商品「茶葉シリーズ 桐箱セット」の販売に踏み切られました。この背景には、どのような市場の変化や消費者からのフィードバックがあったのでしょうか?

柏﨑: もともとこのプロジェクトは、中田英寿が日本各地を巡る中で日本茶農家が抱える課題に向き合い、日本茶の新たな可能性を切り拓き、豊かな文化と自然環境を未来へと受け継ぐことを目標としております。日本茶農家の課題として①日本茶の市場価格の低迷②日本茶生産者の後継者不足③耕作放棄地といった課題があります。 
「レストランでしか出会えないこの味を、自宅でも楽しみたい」という愛好家の皆様からの熱いご要望をいただいたこと、そして何より、こうした取り組みを通じて生産者を支える「循環型」の輪をより多くの方に広げていきたいという想いが、今回の一般向け解禁への後押しとなりました。

中田英寿氏の旅が導いた「特別な水源の水」と、飲食店向けボトリングティー『SIGUSA』

髙部: 飲食店向けの新作ボトリングティー『SIGUSA(四草)』も非常に話題を集めていますが、中田氏が全国を巡る中で出会った「特別な水源の水」を使うことが、単なる茶葉の選定以上に味の完成度へどのような影響を与えているのでしょうか?

柏﨑: お茶という飲み物は、仕込み水の成分(軟水や硬水の分別など)によって味が大きく変化してしまう非常に繊細なものです。
中田は15年以上にわたり全国3,000か所以上の生産者や様々な作家を巡る旅を続けてきました。その中で現場の課題に耳を傾け、自らのなかで想いをブラッシュアップしてきたのですが、その旅の過程で出会ったのが、日本でも稀有な「特別な水源の水」でした。この水との出会いこそが、これまでにない本来の香り立ちと圧倒的な透明感を実現し、「SIGUSA」の完成度を極限まで高めてくれました。
生産者へのリスペクトと、水への徹底的なこだわりが一体となった、まさに中田の哲学の結晶ともいえるプロダクトです。

 

Editor's Note

「ローカルと世界を繋ぐ」——中田英寿氏の哲学が結実した、日本茶の新しい地平

今回の取材を通して深く感銘を受けたのは、「HANAAHU TEA」および「SIGUSA」が、単なるプレミアムなドリンクの枠を遥かに超え、日本のローカル(生産者・自然・文化)の本質と世界のトップレストランを結びつける壮大なエコシステムとして構築されているという点でした。

その背景には、中田英寿氏が15年以上にわたり全国3,000か所以上の生産者や職人のもとを自らの足で巡り、現場の課題に真摯に向き合い続けてきた膨大な「旅の蓄積」があります。茶師十段の山口真也氏、ソムリエの大越基裕氏、茶藝家の櫻井真也氏、クリエイティブディレクターの水野学氏という、各界を代表するプロフェッショナルたちが集結したのは、まさにその中田氏の圧倒的な美意識と哲学に共鳴したからに他なりません。

「特別な水源の水」の選定から、発酵や焙煎による緻密な味わいの設計、そして茶畑の荒廃といった日本の一次産業が抱える構造的課題へのアプローチまで——。そこにあるのは、知的好奇心を刺激する妥協なきブランド設計と、未来へ文化を残すための「循環型」の仕組みそのものです。

「アルコールを嗜むかどうかにかかわらず、すべてのゲストに最高の食体験を届ける」。 日本茶のポテンシャルを再定義し、世界に向けて新たな選択肢を提示するこの挑戦は、これからの飲食業界における確かなスタンダードへと昇華していくに違いありません。

生産者たちの想いを汲み取り、未来を見据えたビジョンを熱く語っていただいた柏﨑さま、そして本質的な価値を体現し続けるチームの皆様に、心より敬意と感謝を表します。

—— 「Cinderella Fit」編集長 髙部 直哉

この記事を書いた人

山田 花子

Cinderella Fit 編集部

美容メディア シンデレラフィット

「美容従事者すべてにリスペクトを」頑張る女性にスポットを当て、人と人を繋いで行きます。

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