今回は、タニタカフェのメニュー開発や品質管理を担当している株式会社タニタ食堂 商品本部 小武内 沙織様にインタビューをしました。
タニタカフェのコンセプトやメニュー、タニタカフェ監修の「噛むドレッシング」について管理栄養士でタニタ食堂認定シェフでもある小武内様の視点からお話しいただきました。
タニタカフェとは
健康総合企業のタニタが提案する、「楽しさ」「心地よさ」といった「こころの健康づくり」をテーマにした新しいスタイルのコンセプトカフェです。
日々の暮らしの中で自然と健康を取り入れる事を目指し、全国に29店舗(他の飲食店とのコラボ店舗を含む、2024年3月末現在)を展開しています。
人を食で健康にしたい
ーー:どういった経緯でこちらの会社に入られたのですか?
小武内様(以下敬称略):大学卒業の時に管理栄養士の資格を取り、高齢者施設で献立を考えて給食を作る仕事をしていました。のちに、別の会社に転職をした際に「管理栄養士の資格を生かして、もっと若いうちから健康を意識してもらえるような職業に就きたい」と思うようになり、タニタ食堂に2018年入社しました。
ーー:昔から管理栄養士になりたかったのですか?
小武内:サッカーや野球を見るのが好きで、それを撮影できるカメラマンになりたかったのですが、それにはセンスが必要だと思ったので諦めました(笑)。
それよりも「これから役立つ資格を取った方がいいのでは」という親のアドバイスもあり、食べることも好きだし、食に関わる資格を取ってみようと思い大学を選びました。
ーー:タニタさんに入られてからはどのようなお仕事をされたのですか。
小武内:タニタの食のメソッドを学ぶため、半年くらい丸の内タニタ食堂で実際にお食事を作ったり、盛り付けをしたりホールに立ったりしました。
ーー:小武内さんが開発されたメニューをおしえてください。
小武内:シェフと一緒に開発したサラダボウルです。ドレッシングはタニタカフェが監修したピエトロさんの商品を使用しています。
タニタカフェが食品を監修する場合は、タニタならではの健康メソッドを入れるようにしていますが、この商品ではフルーツやナッツ、雑穀などの食感をプラスして、楽しく噛む習慣をつけてもらえるようにしました。
タニタメソッドを取り入れたメニューづくり
ーー:噛むということは大事なのですね。
小武内:そうですね。噛むことで、満腹中枢に刺激が行くので満足感が得られやすく、食べ過ぎを防ぐことができます。また、しっかり咀嚼することで食べ物の消化、吸収をサポートしてくれます。
ーー:サラダボウルのほうは?
小武内:成人女性が1日に取りたいたんぱく質の約70%(35~36g)を取れるように設計しています。具材の選定はタニタカフェのシェフと調整しました。
ーー:やはりたんぱく質は今注目の成分なのですね。現代人はたんぱく質が不足しがちなのでしょうか。
小武内:安くて手軽に摂取しやすい麺類やパンなどは炭水化物が多いので、たんぱく質は不足しがちですね。たんぱく質は三大栄養素の一つで、爪や肌、髪の毛や筋肉のもとになっているのでしっかり取っていただきたいです。
ーー:メニューの養生スープというネーミングに惹かれたのですが
小武内:オープン当初は店内でスープを出していなかったのですが、お食事にスープをつけて満足感をよりアップするために昨年より提供しています。五種の薬味と発酵食品を使ったスープです。
発酵食品の甘酒と丸の内タニタ食堂の減塩味噌を使用しています。
スープでも「噛む」ことを大事にしていて、キヌアや雑穀を入れています。キャベツや玉ねぎも入っていて、お野菜も取れます。
ーー:たんぱく質って運動の前と後どっちに取るのがいいのですか?
小武内:運動前も大切ですが、運動後にも取った方がいいです。運動直後はエネルギーが不足している状態なのでしっかり糖質を取る必要があるのですが、筋肉が痛んでいる状態でもあるので、たんぱく質もしっかり補うことが大事です。
朝に取るのもおすすめです。朝にたんぱく質を取ることで、たんぱく質を構成するアミノ酸の中でも必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンが、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを作り出します。セロトニンが日中に分泌されることで、夜にかけて睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌を促してくれるためです。
ーー:他にも気をつけた方が良い食べ方はありますか。
小武内:急激な血糖値の上昇を防ぐために、お野菜から食べていただくことをおすすめしています。
タニタカフェではこのようなおすすめの食べ方をメニュー表に記載したり、全食事メニューにおいて1日に必要な野菜の半分量を取れるようにしています。健康について詳しくない方でも、ここに来て食べるだけで自然と健康習慣が身につく仕組みづくりをしています。
今年はインフラ系企業とのFC店舗もオープン
小武内:タニタカフェの事業としては、他の飲食ブランドとコラボした店舗の開発や監修商品の展開をしています。
ーー:どのようなお店とコラボされているのでしょうか?
小武内:最近では調剤薬局や歯科クリニックなどとコラボすることも増えています。歯科クリニックとは「噛む」という共通点がありタニタカフェと親和性があるので、社会的な意義が大きいと感じています。
今後は医療系や福祉系、行政系などの分野で店舗展開を進めていきたいと思っています。
3月23日(土)タニタカフェコラボ店「ガス火×タニタカフェ」オープン!
大阪ガス株式会社の食と住まいのショールーム「hu+g MUSEUM」の2階メインエントランスが、 五感をハグくむ公園「hu+g Park」としてリニューアルしました。
リニューアルのコンテンツの1つとして、 タニタカフェとコラボレーションしたカフェレストラン「ガス火×タニタカフェ」がオープンしましたす。
こちらの店舗では、ガス火を活かした限定のオリジナルメニューが楽しめます。この他に、 プロフェッショナル仕様の体組成計で無料で健康チェックができる「TANITA FIT」のサービスも導入されています。
情報・画像提供: タニタカフェ
小武内 沙織様のご経歴
大学卒業時に管理栄養士の資格を取得。
2018年株式会社タニタ食堂に入社し商品本部に所属。
管理栄養士としてタニタ食堂やタニタカフェのメニュー開発や品質管理を担当している。