違いの基本は、水に溶けるかどうか

食物繊維は人の消化酵素で分解されにくく、大腸まで届く食品成分です。水に溶けるものを水溶性、溶けにくいものを不溶性と呼びます。
水溶性には、水分を含んで粘りが出るものや、腸内細菌に利用されやすいものがあります。不溶性には、便のかさを増やすのに役立つものがあります。ただし、同じ分類でも種類によって性質は異なり、「水溶性ならすべて同じ働き」とは言えません。
野菜や果物などは、1つの食品に両方が含まれることもあります。「この食品はどちらかしかない」と考える必要はないので安心してくださいね。
野菜だけに頼らず、主食や豆類にも目を向ける

食物繊維をとる方法は、大盛りのサラダだけではありません。大麦やオートミールなどの穀類、豆類、いも類、きのこ、海藻、果物も食卓に取り入れられます。
例えば、昼の主食を麦ごはんにする、夕食のスープにきのこを足す、おやつにりんごを選ぶ。今の食事を少し変える方法なら、調理の負担を増やしすぎずに続けられます。朝・昼・夕で違う食品を選ぶと、食べ方も単調になりませんよ。
まずは、自分が普段食べていない食品群を1つ探してみてください。いつも野菜を食べているなら豆類を、果物をほとんど食べないなら少量添える、といった選び方もできます。食物繊維の比率ばかりを気にするより、食品の種類と無理なく食べられる量を意識しましょう。
増やすときは少しずつ。おなかの反応も確認を

からだによさそうだからと、急に食物繊維を大量に増やすのは控えましょう。人によってはガスや張りが気になることがあります。いつもの食事に少しずつ取り入れ、便の状態やおなかの調子を見ながら調整するのが基本です。自分のおなかに合う量を探すことも、上手な食物繊維の摂り方ですよ。

糖尿病病棟での勤務経験から、予防医学と食事の重要性を痛感し、薬膳・発酵・フェムケアの専門家として独立。「腸内環境は健康の土台」の信念とエビデンスを軸に、飲食店や薬膳サロンなどの開発・レシピ監修に携わる。私生活でも、自家製味噌やキムチを欠かさない攻めの腸活を実践。季節の食材と薬膳を組み合わせた独自の「腸にやさしいレシピ」を探求し続けている。
