スーツ屋である私が化粧品を作る理由|勝友美様インタビュー【前編】

2024.11.29

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女性初のテーラーとして2023年に世界最高峰のファッションショー、パリ・コレクションへ出展された株式会社muse代表取締役の勝友美様。彼女の手がける「Re.muse」のスーツは、着る人に自信を与える"ヴィクトリースーツ"として知られ、幅広い世代から愛されています。
これまでアパレル一筋で歩んできた勝様が、この秋に新たにコスメブランド「Re.museBEAUTY」を立ち上げる理由とは? その背景と想いを伺いました。

 

きっかけは3年前、一本の美容液との出会いから

ーー:今回コスメ業界に参入することになったきっかけを教えていただけますでしょうか。

 

勝様(以下敬称略):きっかけは3年前、化粧品製造会社の社長から手渡されたサンプルの美容液でした。試しに使ってみたところ、それまで悩んでいた肌の状態に変化を感じ、自分でも驚くほどでした。それ以来、「こんなに心が動く化粧品があるんだ」と感動し、その体験がずっと心に残っていました。

 

長年のコンプレックスを抱えながらも見つけた希望

ーー:肌にコンプレックスがあったとのことですが、詳しく教えてください。

 

勝:幼いころにできた肌のトラブルがきっかけで、赤みや凹凸が残り、長年悩んでいました。隠そうとするとメイクが逆に肌を悪く見せてしまう悪循環。20代の頃は経済的な事情で手軽な化粧品を使い、余裕が出てからは高級ブランド品も試しましたが、効果も変化も満足度も、内面も何か揺さぶられるような衝動はありませんでした。

正直、自分の肌に諦めてたと思います。

 

ーー:しかしここで人生が変わるような出来事があったと。

 

勝:私自身海外へ行くことが多く、帰ってくると肌がボロボロになるというルーティンだったのが、その美容液を使い始めたことで、肌への自信が少しずつ回復。ところがある日、もうこの美容液を作れないと聞き「もう使えなくなるのは困る。なので自分が販売しよう」と思うようになりました。

 

化粧品開発への情熱と葛藤

 

ーー:その感動が化粧品ブランド立ち上げの原動力になったのですね。

 

勝: 最初は「スーツ屋の私が化粧品なんて」と迷いました。長年の夢である「Re.muse」を成長させることに集中すべきなのではないかと、私自身がやる意義とは何か何度も自問しました。

そもそもRe.museは「100年先まで愛されるブランドを創りたい」という想いでやっています。ブランド=高価格帯というイメージがあるかと思いますが、Re.museをブランドとして確立したいから高価格帯(18~35万円)で販売しているわけではなく仕入れをはじめとする販売コストがかかっているためその価格になっているのです。それに改めて気づき、現状のマーケティングコストをかけているために高くなっているブランドコスメとは違った、新しい価値を提供するには高品質な製品を原価に近い価格で販売することだと考え、そうすることで私がやる意味が生まれるのではと思いました。

 

化粧品を原価に近い価格※で提供するビジネスモデル

 

ーー:化粧品を原価に近い価格で売るという発想は斬新です。いつの段階で思いついたのですか。

 

勝:最初です。高品質でめちゃくちゃ良い製品を多くの人に手に取ってもらうには、原価に近い価格で販売するしかない。でもそれだと会社として利益がないとやっていけない。そこで、月額制サブスクリプション(月額2,980円・税抜)という形を採用し、その会員様には高品質な化粧品を原価に近い価格で購入していただける仕組みを考えたのです。

※原価に近い価格 仕入れ値に加えて事務手数料一部含めた価格

 

美しさは「自信」から始まる

ーー:この取り組みでどのような変化を期待していますか。

 

美しさは、自分に自信を持つことから始まります。「Re.muse」のスーツがそうであるように、今回の化粧品も皆様にとって自分を大切にするきっかけになれば嬉しいです。手に取ってくれた人たちが豊かさを感じ、心が育まれるような製品を届けたい。その想いが、私の新たな挑戦を支えています。

 

dear HEROINE ―すべての女性はヒロインである

 

勝: すべての女性が、自分をもっと大切にしてほしい。たとえ忙しい毎日の中でも、自分を輝かせる時間を持つこと。それが自信と美しさにつながります。私たちは、そのきっかけを作りたいのです。

Re.museBEAUTYは、肌と心を育む新しいプラットフォームとして、多くの女性たちの生活に寄り添うことを目指しています。次回は、具体的な製品や開発の裏側についてお伺いします。どうぞお楽しみに!

▼Re.muse Beauty | 会員向け美容商品販売プラットフォーム

https://remuse-beauty.com/

勝友美様のご経歴

勝友美(かつ・ともみ)

株式会社muse代表取締役

兵庫県宝塚市出身。アパレルメーカーにて販売員を務め、入社初日にトップセールスとなる。その後、スタイリストとして海外ポータルサイトの新規事業立ち上げに参画したのち、オーダースーツ業界へ転身。最高峰の技術を習得し、2013年に『Re.muse』を創業。

2018年より、テーラー業界では日本初となるミラノ・コレクションへの3度の出展を果たす。2023年に世界最高峰のファッションショー、パリ・コレクションへ出展し、ミラノに続き、業界初の快挙を遂げる。Re.muse のスーツは着る人を自信で包む"ヴィクトリースーツ”と呼ばれ幅広い世代からの人気を博している。また、市場がない中でレディーススーツのマーケットを独自で切り開き牽引する存在であり、女性活躍の発展にも貢献している。2024年には『Re.museBEAUTY』を立ち上げ、化粧品業界への参入を果たす。女性起業家として業界の枠を越え多くのメディアに出演すると共に、自身の経験を基にYouTubeなどを通じ精力的に配信を行っている。SNS総フォロワー88万人(2024年10月時点)

■著書 (最新順)

・貫く力(出版社:KADOKAWA)

・人は自分に嘘をつく(出版社:KADOKAWA)

・営業は「バカ正直」になればすべてうまくいく(出版社:SBクリエイティブ)

この記事を書いた人

山田 花子

美容ライター 藍沢美香

元タレントで美容が高じて2017年美容ライターとして活動を始める。日本化粧品検定協会 コスメコンシェルジュ®︎の資格を持つ美容ライター。美容メディアや自身のSNSにて主にスキンケアやコスメについての記事やコラムを執筆している。

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