毎食後の歯磨きにデンタルリンス、デンタルフロス、舌磨き……。がんばってケアしているはずなのに、「全然口臭が消えない!」こんな悩みはありませんか?
それはもしかしたら、「ドライマウス」の症状かもしれません。今回は、ドライマウスの症状や原因、そして今日から手軽に始められるドライマウスのセルフケアについても解説します。
気になる口臭はドライマウスのサインかも
ドライマウスは、「口腔乾燥症」とも呼ばれる病気で、さまざまな原因により唾液の分泌量が減少し、口の中が乾燥することで起こります。
まずは、そんなドライマウスの症状と原因について見ていきましょう。
口臭だけじゃない!ドライマウスの症状
ドライマウスは口の乾燥による口臭が代表的な症状ですが、それだけにとどまらず、さまざまな症状を引き起こします。
たとえば、ねばつきを感じるほか、食べ物を飲み込みづらい、会話がしにくいと感じることもあります。そして味覚が鈍くなる、食事をしても「おいしい」と感じにくくなるという変化に加え、唾液が減ることで口腔内が傷つきやすくなり、舌に痛みを感じることもあるのです。
日常に潜むドライマウスの原因
ドライマウスの原因には、水分摂取の不足による脱水状態のほか、ストレスによる唾液分泌の低下も関係しています。さらに、鼻ではなく口で呼吸する「口呼吸」の習慣や、飲酒・喫煙、偏った食事といった生活習慣も影響を与えます。加齢によって唾液腺の機能が低下することも、ドライマウスを引き起こす要因のひとつです。
すぐできる!唾液を増やす簡単セルフケア
ドライマウスへの対策として、唾液の分泌を促すことが重要です。ここでは、今日からすぐに始められる4つのセルフケアをご紹介します。
マッサージで唾液腺を刺激する
唾液腺は唾液を作る器官で、指圧することで唾液の分泌促進を期待できます。
以下の箇所を優しくマッサージしてみましょう。
・耳下腺
耳の前からあごにかけて位置する唾液腺です。
指を頬(上の奥歯あたり)に当て、後ろから前へ10回ほど回しましょう。
・顎下腺
あごの側面の下に位置する唾液腺です。
親指をあご下に当て、耳下からあご下に向かって5回ずつ軽く押しましょう。
・舌下腺
下あごの内側、舌の付け根近くに位置する唾液腺です。
あごの真下に両手の親指を置き、舌を押し上げるようにして10回押します。
マッサージは、痛みを感じない程度に軽く圧を加えるのがポイントです。
“あいうべ体操”で口を鍛える
あいうべ体操は、舌や口元の筋肉を鍛えることで唾液の分泌を促す体操です。
以下のように行いましょう。
1.口を大きく開けて「あ~」
2. 口を横に広げて「い~」
3. 口を尖らせ前に突き出して「う~」
4. 舌をあご先に向かって出して「べ~」
5. (1)から(4)を10回繰り返す
各動作は1秒ずつキープしましょう。顎関節症などで痛みがある方は、医師の指示に従って無理のない範囲で行ってください。
唾液を出す食材を摂る
レモンや梅干しなどの酸っぱいもののほか、納豆や昆布など、唾液の分泌を促進する効果が期待できる成分を含む食材を積極的に摂りましょう。噛み応えのあるイカ、タコ、キノコ類などもおすすめです。
ガムを舌の上でコロコロ転がす
噛む動作は唾液の分泌を促進します。ガムを噛むだけでも効果がありますが、さらに効果を高める方法として、ガムを舌の上でコロコロと転がし続けるのもおすすめです。
キシリトール入りのものなら、さらに唾液を促す効果を期待できます。
しつこい口臭には体質から見直す漢方ケアも
ドライマウスによる口臭には、体質から見直せる漢方薬もおすすめです。漢方薬は、偏った心とからだのバランスを整え、体質から改善することで、根本的な解決をめざせます。
口臭ケアを行う場合、「自律神経を整え、ストレスによる唾液分泌の低下を抑える」「ホルモンバランスの乱れを整える」「水分の巡りをよくして、口内に潤いを与える」「血流を促し、胃腸の機能を回復させる」といった働きを期待できる生薬を含む漢方薬を選びましょう。
<ドライマウス対策におすすめの漢方薬>
・五苓散(ごれいさん):水分の巡りを改善し、からだの水分バランスを整えます。
・麦門冬湯(ばくもんどうとう):胃の働きを高めてのどや気管を潤し、唾液の分泌を促す働きが期待できます。
漢方薬は体質との相性も重要です。からだに合った漢方薬を選ぶには、漢方に精通した医師や薬剤師にサポートしてもらいましょう。
もっと気軽に漢方薬を使用したい場合は、「あんしん漢方」というオンライン型の漢方薬サービスもおすすめです。体質に合った漢方薬の提案からアフターフォローまで、専門のプロがしっかり対応します。からだの中からしっかりケアをして、口臭知らずな毎日を取り戻しましょう!
毎日のセルフケアでドライマウスにさよなら!
口臭の原因になるドライマウスは、唾液の分泌低下によって口腔内が乾くことで起こります。今回ご紹介した唾液を増やすセルフケアを試しながら、ドライマウスを改善していきましょう。
<この記事の監修者>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211231g6sdf10039&utm_source=shindere&utm_medium=referral&utm_campaign=250610