顔に狼に噛まれたような発疹…20~40代女性に多い難病「全身性エリテマトーデス」とは?

2025.07.18

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健康に気をつかう20~40代の女性にとって、突然の体調不良や肌の異変はとても気になるもの。
鏡に映る自分の顔に狼に噛まれたような発疹があったら、それは「全身性エリテマトーデス(SLE)」という自己免疫疾患かもしれません。
早期に気づけばコントロールも可能な病気ですが、見逃すと重篤化するリスクも。

この記事では、SLEの特徴や初期症状、治療法をご紹介します。

 

全身性エリテマトーデス(SLE)とは?

全身性エリテマトーデス(SLE)は、免疫の異常により全身の臓器や皮膚、関節に炎症が起こる自己免疫疾患です。

からだの各所で異なる症状があらわれ、慢性化することもある指定難病の一種ですが、症状をコントロールすれば日常生活を送ることが可能です。

圧倒的に女性に多い

SLEはとくに20~40代の女性に多く、患者の約9割が女性とされています。(※1)

発症のきっかけとしては、紫外線、風邪などのウイルス感染、怪我、外科手術、妊娠・出産、ある種の薬剤などが知られています。

多くの場合、早期発見が可能

SLEは比較的早期に症状があらわれるケースが多く、定期的な診察や血液検査での早期発見も可能です。

適切な治療により、症状の進行を抑えることができますが、慢性炎症が続くと心疾患のリスクが高まることもあり、長期的な経過観察が必要です。

見逃さないで!SLEの初期症状

SLEの初期症状は多岐にわたります。

なかでも注目すべきは、皮膚にあらわれる赤い発疹。この発疹が、まるで狼に噛まれたようにみえることが病名の由来にもなっています(全身性エリテマトーデスの英名「systemic lupus erythematosus」のlupusはラテン語で狼のこと)。

SLEの発疹には特徴があり、皮膚をさわったときに、発疹が重なりあって、少し盛り上がって感じられます。

そのほか、微熱、全身倦怠感、脱毛、関節の痛みや腫れ、日光過敏なども初期症状としてあらわれるとされており、これらの症状が続くようであれば、早めに皮膚科を受診しましょう。

SLEの治療法

SLEの治療の中心となるのは、免疫の過剰な反応を抑えることです。

「プレドニゾロン」などの副腎皮質ステロイド薬が処方され、強い炎症を抑えるために重要な役割を果たします。

くわえて、疾患の長期的なコントロールや再発予防には「ヒドロキシクロロキン」などの免疫調整薬が併用されることもあります。

また、治療の過程では、副作用のリスクも十分に考慮しなければなりません。

たとえば、長期のステロイド投与によって感染症や骨粗しょう症、高血糖、動脈硬化などが起こる可能性があるため、必要に応じて副作用対策も講じられます。

症状や普段の生活は人それぞれなので、医師とよく相談し、一人ひとりに合った治療方針を見つけていくことが大切です。

漢方薬によるアプローチも

SLEの補助療法として漢方薬を取り入れるケースもみられます。

急性期においては、ステロイドと「柴苓湯(さいれいとう)」の併用によって、炎症の改善が早まり、ステロイドの使用量を減らすことにもつながったとの報告があります。(※2)
また、柴苓湯には肝機能を守る作用もあることから、副作用対策の面でも有用と考えられているようです。

SLE治療の知恵「漢方薬」で育む、日々の健康習慣

 

SLEの治療で使われる柴苓湯の効果は、先ほどご紹介したものだけではありません。実は、腎疾患、急性胃腸炎、暑気あたりなどにも広く活用されているのです。

柴苓湯は、体内の水分バランスを整え余分な水分として出すとともに、からだの熱を冷ますことで炎症も抑えます。

漢方薬には非常に多くの種類があり、今回ご紹介したもの以外にも、あなたの症状や体質に合う処方があるかもしれません。

ただし、漢方薬はそれぞれの体質に合わせた処方が大切です。

自分に合わない漢方薬を飲み続けても、効果が出にくかったり、思わぬ不調を招いたりすることもあります。

だからこそ、信頼できる医師や薬剤師に相談して、自分に最適な漢方薬を見極めてもらうようにしましょう。

「漢方に詳しい病院ってどこにあるの?」とお悩みのときに便利なのが「あんしん漢方」というオンラインサービスです。あんしん漢方は、スマホひとつで体質診断から漢方薬の提案、アフターフォローまで完結。しかも対応するのは漢方に詳しい薬剤師なので、自宅にいながら安心して相談できます。

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SLEで大切なことは早期発見と適切な治療

SLEは早期発見と適切な治療でコントロールできる病気です。

皮膚にあらわれる特徴的な赤い発疹などの症状があれば、早めに皮膚科を受診しましょう。必要に応じて漢方薬の力も活用しながら、自分らしく過ごしたいですね。

【参考文献】

(※1) 難病情報センター「全身性エリテマトーデス(SLE)(指定難病49)」公益財団法人難病医学研究財団 

https://www.nanbyou.or.jp/entry/53

(※2)大野修嗣「膠原病に対する漢方治療の実際」日本東洋医学系物理療法学会誌 第 48 巻 2 号

https://doi.org/10.32255/jjsop.48.2_1

<この記事の監修者>
 

横倉恒雄(よこくらつねお)医師
婦人科・内科・心療内科医

医学博士/医師。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。病名がない不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。著書に『脳疲労に克つ』『今朝の院長の独り言』等がある。クリニックで行っている講座も好評。

 

<漢方監修>

木村 英子(きむらえいこ)

あんしん漢方薬剤師

北里大学薬学部・東京大学大学院医学系研究科卒。臨床検査技師。

厚生労働省検疫所・病院にて公衆衛生・感染症現場を経て、インドアーユルヴェーダの権威ミーナクシ・アフジャ博士に師事。

対症療法ではなく体質を根本改善することの重要さを痛感し、西洋医学をベースに東洋医学からのアプローチを取り入れ、アロマやハーブを活用した情報発信を行う。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。

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