スリムな体型は、多くの女性の憧れ。SNSやファッション誌で見かけるモデルたちの姿に、「もっと痩せなきゃ」と感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
しかし、痩せすぎは要注意。見た目は健康そうに見えても、内側では深刻な栄養不足が進んでいる「新型栄養失調(FUS)」という状態に陥っているかもしれません。
この記事では、新型栄養失調(FUS)のリスクと改善方法についてご紹介します。
新型栄養失調(FUS)とは?
「新型栄養失調(FUS)」とは、Female Underweight/Undernutrition Syndromeの略称で、痩せすぎや栄養不足が原因でさまざまな心身の不調をきたす状態を指します。
実は、現代の20代女性の平均摂取カロリーは、終戦直後の1946年よりも下回っているとされており、痩せすぎが問題視されているのです。
これらの状況から、日本肥満学会は2025年4月に新型栄養失調(FUS)を新たな病気に位置づける方針を発表しています。(※1)
新型栄養失調が招く健康リスク
「今より少しだけ細くなりたい」という気持ちは誰にでもあるもの。しかし、食事を減らしすぎてからだに不調が出ているのは問題です。
まずは新型栄養失調が招くリスクについて正しく理解しましょう。
月経異常や妊娠に伴うリスク
極端な痩せや栄養不足は、ホルモンバランスに大きな影響を与えます。
ホルモンバランスが乱れると、月経不順や排卵障害が生じやすくなり、不妊のリスクも高まります。
さらに、妊娠中の栄養不足は、早産や低出生体重児など、赤ちゃんの健康にも影響を及ぼす恐れがあるため、意識しておきたいポイントです。
貧血・免疫低下などの健康障害
栄養失調によって鉄や葉酸、ビタミンB12が不足すると、貧血の原因に。とくに月経中の女性は鉄を失いやすく、注意が必要です。
また、亜鉛不足は免疫機能の低下や傷の治りの遅れ、味覚異常などを引き起こすこともあります。
メンタルの不調
痩せすぎによる栄養不足は、心にも影響を与えるといわれています。
メンタルの不調を放置すると、うつ症状に繋がり、日常生活に支障をきたす可能性も。
さらに、自己肯定感の低下や「もっと痩せなきゃ」という過剰な痩身願望が、摂食障害を招く一因になることも考えられます。
筋力低下・骨粗しょう症
筋肉をつくるためには、たんぱく質やビタミンDが欠かせません。これらが不足すると筋力が衰え、転倒やけがのリスクが高まります。
また、骨の成長がピークを迎える20代に必要な栄養が足りないと、骨密度が上がらず、将来的な骨粗しょう症のリスクも高まるとされます。
新型栄養失調を改善するヒント
自分は大丈夫だと思っていても、新型栄養失調は気づかないうちに忍び寄っているかもしれません。
しかし、ちょっとした工夫でリスクを下げることができます。
欠食をなくす
欠食とは朝食などの摂るべき食事を抜いてしまうこと。
食事の回数が減ると、必要な栄養素も摂れないだけでなく、血糖値の変動が大きくなるため、集中力低下や食後の眠気が起きることもあります。
1日3食を規則正しく摂るように心がけ、もし食事が難しい場合でも、栄養バランスのとれた栄養機能食品を活用するなど、できるだけ欠食を避けるようにしましょう。
不足しがちな栄養素を積極的に摂る
新型栄養失調により特に不足しがちなのが、ビタミンB12、ビタミンD、葉酸といったビタミン類や、鉄、亜鉛といったミネラルです。
これらの栄養素は、赤身肉、レバー、魚介類、卵、きのこ類、緑黄色野菜などに多く含まれます。
毎日の食事にうまく取り入れて、栄養素の不足を防ぎましょう。
食事とともに健康をサポートする漢方薬
まずは日々の食事で必要な栄養素をしっかり摂ることが、健康なからだづくりの第一歩です。もしそれでも健康に不安がある場合には、漢方薬で内側からアプローチするという方法もあります。
漢方薬のなかには、医薬品として貧血や疲労倦怠、食欲不振など、さまざまな症状に効果が認められているものもあるため、上手にとり入れるのがおすすめ。
日々の健康管理には、「血流改善によって脳や神経に栄養を届ける」「自律神経の乱れを整えて睡眠の質を高める」「消化・吸収機能を高めて栄養を全身に届け、心とからだを元気にする」といった働きの生薬を含む漢方薬を選ぶのがいいでしょう。
<健康のサポートにおすすめの漢方薬>
補中益気湯(ほちゅうえっきとう):胃腸の働きを高めて疲労を回復し、気力を充実させます。元気がなく食欲不振の人におすすめです。
加味帰脾湯(かみきひとう):精神を安定させることで、イライラなどの精神不安や不眠に働きかけます。虚弱体質で血色の悪い人におすすめです。
漢方薬は、自分の状態や体質に合っていないと、効果を感じられないだけでなく、副作用が生じることもあります。
しかし、専門的な知識がないと、たくさんの種類の漢方薬から自分に合うものを見つけるのは難しいですし、副作用について不安を感じる人もいるでしょう。
そんな時は、スマホで漢方薬のプロである薬剤師に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスを使ってみるのはどうでしょうか。
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お値段もお手頃で、プロが選んだ漢方薬を自宅で受け取ることができる便利なサービスです。漢方薬デビューの入口としてぜひ活用してみてください。
痩せすぎ注意!本当の健康を考えよう
痩せすぎや偏った食事が引き起こす「新型栄養失調(FUS)」は、女性の健康を脅かす現代病です。正しい知識と日々の食生活の見直しで、内側からの健康を目指しましょう。
参考サイト
(※1)一般社団法人 日本肥満学会「女性の低体重/低栄養症候群
(Female Underweight/Undernutrition Syndrome)(FUS)ステートメント」https://www.jasso.or.jp/contents/Introduction/academic-information.html
<この記事の監修者>
あんしん漢方 管理栄養士
小原水月(おはらみづき)
管理栄養士・健康食育シニアマスター。社員食堂で300以上の料理を修得、ダイエット合宿所・特定保健検診の業務に携わり600人以上の食事と生活習慣改善を個別サポート。
自身の出産後の体調不良から食事と漢方で体調改善/増進の経験を生かし、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。「心も体も食べたものだけで作られる」をモットーに簡単で時間もお金もかけずに元気になれるレシピを発信中。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211231g6sdf10065&utm_source=shindere&utm_medium=referral&utm_campaign=250916
木村 英子(きむらえいこ)
あんしん漢方薬剤師
北里大学薬学部・東京大学大学院医学系研究科卒。臨床検査技師。
厚生労働省検疫所・病院にて公衆衛生・感染症現場を経て、インドアーユルヴェーダの権威ミーナクシ・アフジャ博士に師事。
対症療法ではなく体質を根本改善することの重要さを痛感し、西洋医学をベースに東洋医学からのアプローチを取り入れ、アロマやハーブを活用した情報発信を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211231g6sdf10065&utm_source=shindere&utm_medium=referral&utm_campaign=250916