ジュースで薬の効果が下がる!? 見落としがちな薬と食品の飲み合わせルール

2025.09.26

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薬を常用する人にとって、薬同士の飲み合わせは必ず知っておかなければならない常識です。しかし、薬と薬だけではなく、薬と特定の食品で起こる飲み合わせの問題をご存知でしょうか?
一緒に摂取してはいけない薬と食品をとり入れることで、場合によっては思わぬ体調不良に見舞われる場合もあります。
今回は、意外と見落としがちな薬と食品の飲み合わせについて、詳しく解説します。

 

意外と知らない薬の落とし穴

 

薬と食品には飲み合わせがあり、相性によっては薬の成分の吸収や分解が妨げられ、効果が出すぎたり、逆に弱まったりすることも。

病院で処方される医療用医薬品については、薬剤師による説明が義務付けられています。一方、市販薬は「要指導医薬品」や「第一類医薬品」を除き、薬剤師からの詳しい説明なしで購入できます。そのため、飲み合わせの注意点を知らないまま服用してしまう可能性があるのです。

急に体調を崩した場合などには、家にある常備薬を使用することも多いでしょう。このように、私たちの周りには常に飲み合わせのリスクが存在しています。

次の項では、具体的な市販薬とNG食品の組み合わせについて解説します。

これは避けたい!市販薬とNG食品の組み合わせ

 

ここからは、特定の市販薬と一緒に摂取してはいけない食品について3つご紹介します。

胃腸薬と牛乳

胃腸薬には、酸化マグネシウムのような胃酸の分泌を抑える成分が含まれています。

こうした薬の服用中に大量の牛乳を飲むと、血液中のカルシウムが増えすぎて「ミルクアルカリ症候群」を起こし、吐き気や嘔吐、のどの渇きなどがあらわれることがあります。

普段の食事程度なら心配いりませんが、1日1リットル以上を飲むときは注意が必要です。

サプリメントでカルシウムを摂取している場合も同様のため、1日のカルシウムの総摂取量に気をつけましょう。

風邪薬とカフェイン飲料

風邪薬や解熱剤には、カフェインが多く含まれています。そこにコーヒーやエナジードリンクなどのカフェインが多く含まれている飲料を摂取すると、カフェインの総摂取量も増えてしまいます。

カフェインには中枢神経を興奮させ、覚醒させる作用がありますが、カフェインを過剰に摂ると、頭痛やめまいなどの脳神経系の症状や、動悸などの心血管系の症状、吐き気や胃の不快感などの消化器症状を引き起こす可能性も。

花粉薬とグレープフルーツジュース

花粉症対策で使用される抗アレルギー薬のなかには、フェキソフェナジンという成分が含まれています。

このフェキソフェナジンと、グレープフルーツジュースやアップルジュースなどを同時に飲むと、薬の成分をからだにとり込む効果を阻害し、血液中の薬の濃度が下がり、薬効が出づらくなるのです。

固形よりもジュースのほうが吸収率が高く、消化管内でも広がりやすいので、より薬の吸収効果を阻害する可能性があります。

穏やかにからだを整える「漢方薬」のチカラ

 

一般的に、西洋薬は単一成分でできており、特定の食品(カフェインやグレープフルーツなど)と一緒にとると薬の効き方が強まったり弱まったりすることがあります。

一方で、漢方薬は複数の生薬を組み合わせているため、西洋薬とくらべて作用が穏やかとされています。また、食品との飲み合わせによる大きなトラブルは比較的少ないといわれていますが、生薬によっては注意が必要となるケースもあることは覚えておいてください。

 

漢方薬は、心とからだのバランスを整え、本来人間が持つ自然治癒力を高めて、心身の調子をよくすることをめざします。また、病気ではないけど体調がなんとなく悪い、「未病」という状態にもアプローチできる点が魅力です。

体質や症状でも適切な漢方薬は異なりますが、ストレスや自律神経の乱れから来る不調に対処する場合は、「血流をよくして自律神経の乱れを整える」「精神の高ぶりや緊張をゆるめる」「余分な熱を冷ます」「鎮静作用で心を穏やかにする」といった働きを期待できる生薬を含む漢方薬を使用しましょう。

 

<からだを穏やかに整える漢方薬>

 

・抑肝散(よくかんさん):精神活動をコントロールすることで神経の高ぶりを抑えて、心とからだの緊張をほぐします。

・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):滞ったエネルギーの流れを解消し、自律神経のバランスを整え、精神的な緊張を和らげます。

・加味逍遙散(かみしょうようさん):上半身に滞ったエネルギーを巡らせることで、余分な熱をとり去り、イライラやのぼせを改善します。

 

漢方薬はからだとの相性もとても大切です。体質に合わない漢方薬をいくら使い続けても、期待する効果は得られません。医師や薬剤師に相談し、体質に適した漢方薬を提案してもらいましょう。

もっと手軽に漢方を始めたい方は、オンライン漢方薬の「あんしん漢方」がおすすめ。あんしん漢方は、体質診断、漢方薬の処方がスマホ1台でも簡単に行える画期的なサービスです。

アフターフォローも丁寧に対応してくれるので、初めての漢方薬にも最適ですよ。

 

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飲み合わせのリスクをしっかりと把握する

薬と特定の食べ物や飲み物を一緒に摂取すると、薬の効果が強まったり、逆に弱まったりするリスクがあります。

飲み合わせは、気をつけていても「ついうっかり」ということがあります。予期せぬ副作用が生じる可能性もあるため、不安な場合は医師や薬剤師に相談し、その薬と食品との飲み合わせに問題がないか安全性を確認することが大切です。

 

<この記事の監修者>

 

 

 

 

 

 

 


 

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。

世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

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