一枚の絵画が紡ぐ、新しい日本酒の物語――商社と酒蔵が挑む「飛天女」の挑戦

2026.09.13

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一枚の絵画から芽吹いた物語は、商社と酒蔵の奇跡的な出会いを経て、いま新しい日本酒の扉を開こうとしている。CORTESE株式会社の取締役・千葉聡子さまに、オリジナル日本酒ブランド「飛天女」に込めたものづくりへの哲学と、これからの展望について話を伺った。

Special Feature

震災への祈りを宿すアートを、心ときめく現代の味わいへ

 

「飛天月 静寂」@Yuki Yamamoto

―― 一枚の友禅作品「飛天月 静寂」との出会いがブランドの原点となっていますが、このアート作品に込められた震災への祈りや鎮魂の想いを、どのように現在の日本酒の味わいやボトルデザインへ昇華させているのでしょうか。

「約10年前に会社を設立する前、友禅作家・や万本遊幾先生の『飛天月 静寂』と出会いました。東日本大震災の犠牲者への祈りと鎮魂を込めて描かれたその作品の美しさと、圧倒的な想いが強く心に残ったんです。『いつかこの作品を日本酒のラベルにしたい』という想いが、ずっと心の片隅にありました。

店頭に並ぶ日本酒の種類の多さや専門性の高さに、『どれを選べばいいかわからない』と感じてしまう方は少なくありません。だからこそ、まずはお手に取ってくださった方に『きれい』『素敵』『飲んでみたい』と直感で心ときめかせていただける入口をつくりたかったのです。女性をはじめ、日本酒初心者やライト層の方にもすっと寄り添えるよう、夜空の月や星、そこから差し込む柔らかな光を思わせる洗練されたボトルデザインに仕上げました。味わいについても、食後のひとときにデザート感覚で楽しめる親しみやすい甘口に昇華させています」

商社の市場視点と、たったひとりで挑む酒蔵の確かな技術の融合

 

酒造りをする中沖酒造社長・杜氏 高橋義孝氏

―― 商社であるCORTESE株式会社の市場視点による企画と、山形県の酒蔵・中沖酒造店の高い醸造技術をどのように掛け合わせているのか、具体的な開発プロセスや両社の役割分担について教えてください。

「私たちが担っているのは、市場や生活者のリアルな視点から『こんなお酒があったら素敵だよね』というコンセプトや、味わい・ボトル・ラベルを企画することです。一方、そのアイデアを命ある美味しい日本酒として見事に昇華させてくださるのが、山形県の中沖酒造店さんです。

中沖酒造店さんは、お一人で真摯に酒造りと向き合われている小規模な蔵でありながら、全量純米酒を貫き、山形県の最高峰を目指す酒『山形讃香』の醸造蔵にも選ばれるほどの極めて高い技術と挑戦心をお持ちです。これまで海外市場を中心に展開を広げてきた私たちの企画力と、中沖酒造店さんの揺るぎない醸造技術。お互いの強みを深く掛け合わせることで、『飛天女』という唯一無二のブランドが誕生しました」

国内の基盤を大切に、インバウンドを起点としたグローバルな展開へ

―― 今後の国内外での販路拡大において、台湾やシンガポールをはじめとするアジア諸国やヨーロッパなど海外市場を見据えた具体的な戦略や、ターゲット層にどのようにブランドの世界観を伝えていくお考えでしょうか。

「海外展開におきましては、まずは国内の確かな基盤づくりを大切にしながら、インバウンド(訪日外国人)向けを強く意識したアプローチを考えています。日本を訪れた方々が現地でブランドに触れ、その感動が自国へと広がっていくような自然なつながりを育てていきたいですね。

台湾やシンガポール、ヨーロッパといった国々に対しても、単に『美味しい日本酒』という枠組みを超えて、一枚の絵画から生まれたストーリーや、美しいボトルデザインが織りなす世界観ごと丁寧にお届けしていきたいです。作り手の想いだけでも、売り手の都合だけでもない、手にとってくださった方が『このお酒に出会えてよかった』と心から思える特別な体験を、国内外へ広く届けてまいります」

Editor's Note

日本酒の楽しみ方を, もっと自由で, もっと心ときめくものへ――. 一枚の絵画との鮮烈な出会いから芽吹いた「飛天女」は, 商社ならではの鋭い市場視点と, 日本の豊かな風土が育んだ山形県の酒蔵による妥協なき醸造技術が奇跡的に響き合うことで誕生しました. 日本の伝統文化や職人の技に新しい息吹を吹き込み, その奥深い魅力を世界へと発信していく挑戦は, 手にとる人々の日常にそっと心躍る彩りを添えていくことでしょう. 国内外のファンを魅了し続けるこれからの展開に, いっそうの期待が高まります.

この記事を書いた人

山田 花子

Cinderella Fit 編集部

美容メディア シンデレラフィット

「美容従事者すべてにリスペクトを」頑張る女性にスポットを当て、人と人を繋いで行きます。

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