「Dr.Aboが教える!“死ぬまで元気で美しく”を叶えるコラム」
本連載では、北青山D.CLINIC院長の阿保義久先生が、忙しい現代女性の健康と美を守るヒントをお届けします。
お正月、久しぶりに実家へ。家族で食卓を囲み、並んで歩き、何気ない会話をしているときにふと、こんな小さな違和感を覚えたことはありませんか?
「同じ話を、短い間隔で繰り返すようになった」
「前より歩くスピードが遅くなった気がする」
「膝や腰の痛みを、前より口にするようになった」
大きな病気があるわけではないのに、どこか以前と違う。親世代の変化は、検査結果より先に、こうした日常のズレとして現れることが少なくありません。年間300件以上の再生医療の治療実績を持つ北青山D.CLINICの阿保義久院長が、相談の入口でよく耳にするのも、まさにこの言葉です。
「年齢のせいだから、仕方ないと思っていました」
今回は「再生医療って何?」を、家族の健康を考える入口として、できるだけやさしく整理します。「気のせいかも」で片づけたくない人の、手がかりになればうれしいです。
その違和感、「年齢のせい」で片付けていいですか?

年齢を重ねれば、体力が落ちるのは自然なことです。ただ阿保先生は、こうした変化を「衰えた」で止めず、もう一段だけ深く見ています。

たとえば、こんな変化が続くとき。
●同じ生活をしているのに、疲れが翌日まで残る
●ちょっとした痛みや不調が、なかなか引かない
●動く量が少しずつ減り、外出が億劫になる
●「転びそう」「つまずきやすい」が増える
●物忘れが増えた気がする(本人より家族が先に気づくことも)
この段階は、病名がつかないことも多い一方で、放置するとサルコペニア※1やフレイル※2、転倒、関節の問題、血管系のトラブル、認知機能の低下など、要介護につながりやすい課題と結びついていくことがあります。「まだ大丈夫」のうちに、回復の落ち方を見逃さないことが大切です。
実際、厚生労働省※3の「介護が必要となった主な原因」では、65歳以上の要介護の主な原因として、認知症、脳血管疾患(脳卒中)、フレイル、骨折・転倒、関節疾患が上位に挙げられています。老化は、こうした領域の土台に広く関わるテーマでもあるのです。
だからこそ大事なのは、「ご本人が困ってから」ではなく、家族が違和感に気づいた時点で、情報を整理できること。次章では、その入口になりやすい、相談の実態をお話しします。
※1:加齢などを原因として全身の筋肉量と筋力が低下し、身体機能が低下した状態
※2:加齢などにより心身の活力(筋力、認知機能、社会とのつながりなど)が低下し、健康な状態と要介護状態の中間にあたる虚弱な状態
※3:2022年 国民生活基礎調査
最初の相談者は、娘さんや息子さんであることが多い

再生医療というと、「ご本人が強い意志を持って受ける医療」というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし阿保先生によると、初診の相談では、娘さんや息子さんなどご家族がきっかけになるケースも少なくないといいます。
「最近、母の物忘れが増えてきた気がする」
「疲れやすそうだけれど、病院では様子見と言われた」
「本人も不安そうなのに、どうしたらいいかわからない」
病名がはっきりつく前の段階で、「今後の選択肢を知りたい」と相談に来られるご家族が多いそうです。そして状態を丁寧に確認した結果、再生医療の適応となる疾患や状態に該当し、治療を検討していくケースもあります。このエピソードは、再生医療が「特別な人だけの医療」ではなく、「家族の気づき」から知る医療でもあることを示しています。
では、相談の場で医師が説明する「再生医療」とは、いったい何なのか。次章ではわかりやすく整理します。
再生医療は、人が本来もつ「再生する力」を引き出す治療

こうした「病気とは言えないけれど、確実に変わってきている状態」を前に、医療の現場で選択肢のひとつとして語られるようになってきたのが、再生医療です。
再生医療は、体の中にもともとある「修復に関わる細胞=幹細胞」の働きを利用して、炎症や血流低下、組織の傷みなどが重なって起きる不調を、内側から整えていくことを目指す医療です。この幹細胞(間葉系幹細胞など)の働きを活用し、たとえば次のような方向で回復しやすい条件づくりを支えることを目指します。
●炎症の過剰反応を落ち着かせる方向に働きかける
●血流や組織の修復が進みやすい環境を整える
●傷んだ組織の回復プロセスを後押しする
ただし阿保先生は、こう伝えます。

とはいえ、家族のことになると「何をどう説明すればいいのか」が一番の壁になりがちです。次章では、まず最初にやってほしい状況の整理(言語化)についてお話しします。
「親の変化がきになる」人にまずおすすめしたいのは、状況を整理して具体的な言葉にすること
ここまで読んで、「うちも当てはまるかも…」と思った方へ。いちばん大切なのは、いきなり治療を決めることではなく、今の状態を整理することです。
とはいえ、家族のことになると、本人の自覚が薄かったり、話題にしづらかったりして、「どこから切り出せばいいのかわからない」という声も多く聞きます。そんなときに役立つのが、病気の有無だけを見る検査ではなく、体の状態を多面的に把握する視点です。
近年は、特定の病名を探すのではなく、血管・肺・骨・ホルモン・免疫といった、体の中の複数の機能をチェックし、「今の体がどのような状況か」「どこに注意を向けるべきか」を整理できる検査やドックを用意している医療機関も増えてきました。
こうした評価を通じて、何が起きているのか分からない不安や、どこから手をつければいいのか分からない迷いが、「今、気にしたいポイントはここ」という形で言語化されるだけでも、家族での会話はぐっとしやすくなります。大切なのは、こうした視点で一度立ち止まって体の状態を見直すこと。現状を知っておくこと自体が、安心につながるケースも少なくありません。
✓こうした考え方をもとにした検査・ドックの一例
北青山D.CLINICのエイジングケアドック
https://www.dsurgery.com/antiage/antiaging/
「今すぐ決める」よりも、「知っておく」という選択
再生医療は、誰にでも必要な医療ではありません。だからこそ、シンデレラフィット読者にとって大切なのは、今すぐ受けるかどうかを決めることではなく、知っておくことです。
お正月に感じた、あの小さな違和感も、「年齢のせい」「気のせい」で終わらせず、一度立ち止まって考えるきっかけにするだけで十分です。たとえば、こんな声かけからでもいいのかもしれません。
「最近、前より疲れやすくない?」
「歩くの、しんどそうじゃない?」
「物忘れ、気になることある?」
「痛み、我慢してない?」
医療は、治療を始めるためだけでなく、安心するために選択肢を整理するものでもあります。「お母さん、もしかして…」「お父さん、ちょっと気になる」そう感じた人は、まずは気軽に相談してみるところから始めてみてもいいかもしれません。
✓再生医療について詳しく知りたい方はこちら
https://www.dsurgery.com/treatment/regenerative-medicine/
北青山D.CLINIC阿保義久院長プロフィール

1965年青森県生まれ、東京大学医学部医学科卒業。2000年に北青山Dクリニック(現:北青山D.CLINIC)、2004年2月に医療法人DAPを設立。外科医としてのスキルを生かし、下肢静脈瘤・鼠径ヘルニア・体表腫瘍などを対象に、約43,000件以上の日帰り手術を担当(2025年11月末時点)。加えて、再生医療・精度の高い人間ドック・病気の発生を未然に防ぐ予防医療にも精力的に取り組み、「医療にイノベーションを」を理念に掲げて、患者のニーズに応える理想的な医療環境の構築にも励んでいる。著書には『アンチ・エイジング革命(講談社)』『下肢静脈瘤が消えていく食事(マキノ出版)』『尊厳あるがん治療(医学舎)』『コロナの時代のアンチエイジング』などがある。
クリニックURL:https://www.dsurgery.com/
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